ピエール・ガスリーのタイヤ交換を行うアルファタウリ・ホンダのピットクルー、2020年F1トルコGP予選にて
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アルファタウリ・ホンダにパルクフェルメ違反の疑い…ピエール・ガスリー、F1トルコGP決勝でピットスタートの恐れ

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アルファタウリ・ホンダがパルクフェルメ規定に違反した疑いがもたれている。場合によってはピエール・ガスリーがピットスタートとなる可能性もありそうだ。

国際自動車連盟(FIA)のテクニカルディレクターを務めるジョー・バウアーは15日朝、パルクフェルメ違反の可能性があるとして、アルファタウリ・ホンダへの調査を行うようスチュワードに進言した。

報告によるとアルファタウリ・ホンダは、ピエール・ガスリーが駆る10号車に搭載のパワーユニット(PU)一式に関する変更届を提出。FIAは予選が行われた土曜夜にこれを承認した。

チームは既にPU交換のためにシャシーからギアボックスやICE(内燃エンジン)、ラジエーター等を取り外す作業に着手していたが、実際に交換を行うことはなく、日曜朝に変更リクエストを取り下げた。

ジョー・バウアーはこれについて「物理的な理由ではなく、戦略的な理由によるものと推測される」としている。

これは恐らく、予選でピエール・ガスリーよりも上位でフィニッシュしたマクラーレンの2台が、各々グリッド降格ペナルティを受けた事が理由と見られる。ガスリーはこの恩恵を受けて2グリッド繰り上がるが、PU交換を行うと最後尾に転落する事になる。ハードウェアが故障したなどの理由で変更届を出していたのであれば、申請を取り下げる事自体があり得ないため、ジョー・バウアーは「戦略的理由」と考えたのだろう。

何れにせよ、何よりも問題視されているのは、作業の一部がFIAの立会人不在の下で行われたという事実だ。予選出走後のマシンと、決勝での出走マシンのスペックは同一であることが保証されなければならない。

ジョー・バウアーからの報告を受けてデレック・ワーウィックら4名からなるスチュワード団は、パルクフェルメに関するルールが記載された競技規約第34.2条への違反の疑いがあるとして、アルファタウリ・ホンダのチーム代表者に対して、現地午前11時に当該インシデントに関する報告を行うよう通達した。

パルクフェルメ違反の場合、当該車両にはピットスタートが命じられる事になるが、スチュワードはパルクフェルメ規定違反ではなくPU交換規定への違反を認定した

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