F1トルコGP予選:全11台が審議…ストロールはお咎め無しでポール確定も、マクラーレン勢含む3台がグリッド降格ペナルティ
F1トルコGPのレーススチュワードは、イスタンブール・パーク・サーキットで開催された14日(土)の公式予選を終えて、計11台を審議に掛けてそのうちの3台にグリッド降格ペナルティを科す裁定を下した。
9年ぶりのイスタンブールでのグリッド争いは、雨の影響で非常に滑りやすい路面コンディションの中で行われ、2度の赤旗に加えて黄旗が多数振られる事態となった。
特に、キャリア初のポールポジションを獲得したレーシングポイントのランス・ストロール(18号車)が、僚友セルジオ・ペレスのコースオフによりターン7で振られたシングルイエロー無視の疑いで事情聴取を受ける騒ぎとなったが、スチュワードはお咎め無しの裁定を下した。
その理由についてスチュワードは「テレメトリー上で18号車がスロットルを戻した事が確認された。コーナーに向けて惰性で進み、インシデントが解除されると加速した事が明らかとなった」と説明した。
同じように、減速が義務付けられるシングルイエロー無視の疑いでダニエル・リカルド(ルノー)、ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)、ランド・ノリス(マクラーレン)の3名が審議の対象となったが、ノリスを除いた2名にはお咎め無しの裁定が下った。
予選11番手のノリス(4号車)はターン8で振られたイエローフラッグを無視したとして、5グリッド降格と3点のペナルティポイントが科された。累積ポイントは5点に達した。スチュワードはノリスの違反行為について次のように説明した。
「4号車は6号車(ニコラス・ラティフィ)が原因のダブルイエローが振られたターン8に接近した。テレメトリーは4号車がセクター内で減速し、インシデント解消後にスピードを戻した事を示している。4号車はチームにラップを中止するかどうかを尋ねたが、コースコンディションが急激に変化しているためステイアウトするように言われた。その後4号車はラップを完了してQ1のファステストを刻んだ」
「スチュワードは4号車がタイムを出そうとしたわけではなかった事を認めるが、コースコンディションの変化がそれを引き起こした。よって規定違反と判断した」
なおスチュワードは”ダブルイエロー”に言及しているが、国際自動車連盟(FIA)の発表では違反は「イエローフラッグ無視」とされている。
既報の通り、ノリスのチームメイトであるカルロス・サインツも走行妨害で3グリッド降格ペナルティを科されており、マクラーレンは2台揃って罰則が科される事となった。
即時停止が可能なレベルまでの減速が義務付けられるダブルイエロー無視の疑いでは、ケビン・マグヌッセン(ハース)、バルテリ・ボッタス(メルセデス)、ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)、ランス・ストロール(レーシングポイント)、セルジオ・ペレス(レーシングポイント)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、ジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)の7台が審議に掛けられ、ラッセル(63号車)のみが罰則を科された。
スチュワードは「63号車は、ターン2でコースオフした26号車(ダニール・クビアト)を原因とするダブルイエローに遭遇した。63号車は減速しようと試みたが、スチュワードの意見では減速は不十分でクルマを完全に制御できていなかった。これは明らかなレギュレーション違反であり、また、63号車はこのラップでタイムを伸ばしており、これはレースディレクター・ノートの要件に違反している」として、5グリッド降格ペナルティと3点のペナルティポイントを科した。累積ポイントは6点に達した。
この結果、F1トルコGPの決勝スターティンググリッドは予選順位から大きく変動する事となった。