雨のイスタンブール・パーク・サーキットをインターミディエイトタイヤで走行するアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー、2021年10月9日F1トルコGPフリー走行3にて
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えっ!? ガスリー、雨タイヤで昨年ドライより4.6秒速い最速タイム!ホンダTOP3独占 / F1トルコGP《FP3》結果とダイジェスト

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2021 F1第16戦トルコGP 土曜3回目のフリー走行が現地10月9日、イスタンブール・パーク・サーキットで1時間に渡って行われ、アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーがトップタイムを記録した。

予報通りの雨が降った事でセッションは最後までウェットコンディションが続いたものの、ガスリーが浅溝のインターミディエイト・タイヤで刻んだ1分30秒447はドライで行われた昨年のFP1最速タイムより4.63秒も速く、路面の著しい改善を知らしめる格好となった。

昨年は再舗装したばかりで路面表面に油分が浮き、ランド・ノリスをして「氷より滑る」非常に困難な状況となったため、プロモーターはイベントに先立ってウォーターブラスト処理を施した。経年による効果も大いにあるだろうが、1年を経て路面状況は大きく改善した。

2番手はマックス・フェルスタッペン、3番手にはセルジオ・ペレスと、レッドブル勢が並んだ事で、特別仕様のリバリーで週末に挑むホンダエンジン勢がトップ3を独占した。角田裕毅も8番手とトップ10圏内に名を連ねた。4・5番手には好調フェラーリの2台が続いた。

初日最速のメルセデスはバルテリ・ボッタスが8番手、ルイス・ハミルトンが18番手とタイムシートの後方に沈んだが、いずれも10周以下しか走行しておらず、ICE以外のパワーユニット・コンポーネントのマイレージを可能な限り抑えたいハミルトンに至っては5周を走ったのみで、セッションの大部分をガレージ内で過ごした。

日曜はドライが予想されており、また予選時の降水確率は60%程と決して低くはないものの路面状況は改善し続けているだけに、無理をしてまでコースを周回するメリットはメルセデスにない。

水しぶきを上げながらウェットコンディションのイスタンブール・パーク・サーキットを走行するレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2021年10月9日F1トルコGPフリー走行3にてCourtesy Of Red Bull Content Pool

水しぶきを上げながらウェットコンディションのイスタンブール・パーク・サーキットを走行するレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2021年10月9日F1トルコGPフリー走行3にて

グランプリ2日目を迎えた現地イスタンブールは開始を前に激しい雨が降り、予選結果を占うセッションは気温16℃、路面22℃のウエットコンディションでスタートした。

滑りやすいコンディションはインシデントのリスクが極めて高く、万が一クルマを破損すればその後の予選に大きな影響が出かねず、また時間の経過とともに雨脚が弱まる事が予測されていたため、開始直後にコース上に出る車両はまばらだった。

沈黙を破ったのはアルファタウリ・ホンダの2台だった。ガスリーを先頭に角田裕毅が続き、インターミディエイトでレファレンスタイムを残した。15分も経過すると雲の切れ目から陽が差し始め、徐々に周回するクルマの数が増えていった。

20分が経過したところで、ジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)がターン2でオーバーステアに見舞われスピン。バリアに激突する事はなかったが、グラベルに囚われたために赤旗が振られ、ラッセルは2周を走ったのみでセッションを終えた。

フェルスタッペンもまた、ミドルセクターでヒヤッとする360度スピンを喫し、フェルナンド・アロンソもターン1で止まり切れず砂利に突っ込むなど、ラッセル以外にも多くのマシンが足元を救われたが、幸いにもクルマに大きなダメージを負った者はなかった。

シャルル・ルクレールがスリック投入を話し合う程に、最終盤は路面が乾きつつあったものの最後まで晴れ用タイヤを履いた者はなく、各チームともに昨日のプラクティスを経て修正したセットアップが上手く機能しているかどうかを確認する事ができないままにチェッカーフラッグが振られた。

全3ラウンド、計1時間が予定される2021年F1トルコグランプリ公式予選は、日本時間10月9日(土)21時からイスタンブール・パーク・サーキットにて行われる。

2021年F1第16戦トルコGPフリー走行3(FP3)リザルト

Pos No Driver Team Time Gap Laps
1 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 1:30.447 19
2 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:30.611 +0.164 11
3 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダ 1:30.684 +0.237 13
4 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:31.262 +0.815 22
5 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:31.543 +1.096 18
6 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:31.545 +1.098 15
7 7 キミ・ライコネン アルファロメオ・フェラーリ 1:31.572 +1.125 17
8 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダ 1:31.981 +1.534 21
9 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:31.996 +1.549 8
10 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:32.089 +1.642 17
11 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ・フェラーリ 1:32.097 +1.650 21
12 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:32.111 +1.664 14
13 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:32.228 +1.781 23
14 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:32.270 +1.823 18
15 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:32.314 +1.867 18
16 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:33.348 +2.901 11
17 9 ニキータ・マゼピン ハース・フェラーリ 1:33.425 +2.978 14
18 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:33.636 +3.189 5
19 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:35.681 +5.234 8
20 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 2

コンディション

天気
気温16℃
路面温度22℃

セッション概要

グランプリ名 F1トルコGP
セッション種別 フリー走行3
セッション開始日時

サーキット

名称 イスタンブール・パーク・サーキット
設立 2005年
全長 5338m
コーナー数 14
周回方向 反時計回り

F1トルコGP特集