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F1レギュレーションの中から、罰則・ペナルティーに関連する主だったルールを厳選しその要点を以下にまとめる。ペナルティにはレース競技中の行為に対するものと、それ以外のものの2つがある。
レース競技中の行為に対するペナルティ
規定において”違反”は、ジャンピングスタートや、回避可能な事故を引き起こす事、不当に他のドライバーをブロックする事、ラップ中に他のドライバーを妨害する事、ピットレーンでの速度違反など、と定められている。
- ペナルティを科す権限を持つのはスチュワード
- 罰則裁定通知後2周以内に消化しない場合、黒旗裁定となる可能性がある
- ペナルティによるピット停止中はタイヤ交換などの作業禁止
ポジションを守るための方向転換禁止ルール(通称フェルスタッペン・ルール)は、3月23日に廃止された。
2020年には不合理に厳しいペナルティが見直された。ドライバー個人というよりもむしろチーム側の責任による部分が大きいため、軽量義務違反およびジャンプスタートに関するペナルティが緩和された。
レース・ペナルティの種類
名称 | 内容 |
---|---|
5秒ペナルティ | ピット・インして最低5秒間停止する。ただし、ペナルティ裁定が下ってからレース終了までの間に一度もピットストップを行わない場合は、レース結果に5秒加算。 |
10秒ペナルティ | ピット・インして最低10秒間停止する。ただし、ペナルティ裁定が下ってからレース終了までの間に一度もピットストップを行わない場合は、レース結果に10秒加算。 |
ドライブスルー・ペナルティ | ピットレーンに進入した後、停止することなくそのまま通過しレースに復帰しなければならない。 |
ストップ&ゴー・ペナルティ | ピット・インして最低10秒間停止する。10秒ペナルティと異なり、10秒加算のオプションはなく、レース中に課される罰則としては最も重い。 |
残り3周を切る時点またはレース終了後に上記裁定が下った場合、レース終了後のタイム加算という形でペナルティを消化する。5秒ペナルティは5秒、10秒ペナルティは10秒、ドライブスルーペナルティーは20秒、ストップ・アンド・ゴー・ペナルティは30秒加算。
シーズンを跨ぐペナルティ
- 悪質な場合は次戦グリッドダウンや戒告、レース結果からの除外、出場停止
- スーパーライセンスに対するペナルティポイントは12ヶ月間有効
- 上記ライセンス違反が12ヶ月間に12点に達した場合、1戦出場停止
- 予定外のギアボックス変更は5グリット降格
- 年間規定数を上回るエンジン交換はグリット降格
戒告処分
即時の罰則が必要とまでは言えないスポーティング・レギュレーション違反があった場合、スチュワードは戒告処分を科す事ができる。
1シーズン中に5回の戒告処分を受けると、当該ドライバーにはその競技会で10グリッド降格ペナルティが科せられる。レース中のインシデントにより5回目の戒告処分を受けた場合は、次戦で10グリッド降格となる。
ただし戒告処分5回の内の4回がドライビングに関する違反であった場合に限られる。
異議申し立てと再審請求、控訴
リザルトやスチュワードの裁定に納得出来ない場合、チームは異議申し立て(抗議)と再審請求、控訴という3つの方法で訴える事ができる。
異議申し立て(抗議)の対象はFIA国際スポーティング規定第13条にて「チームまたはドライバーのエントリー、コース全長、ハンディキャップ、ヒートまたは決勝の編成、競技中に発生し申し立てられたエラー、不正または規則違反、 車両に対する規定違反との主張、または競技終了時に確定した順位」と定められている。
異議申立ての期限については、申し立ての対象によって若干の違いはあるが、いずれも当日中で、例えばリザルトの場合は「暫定順位発表後30分以内」と定められている。ただし、スチュワードが30分の期限を遵守することが不可能であると判断した場合はこの限りではない。
スチュワードの決定に対して納得できない場合は、FIA国際控訴審判所(ICA)への「控訴」か、「再審請求権」を行使することになる。
再審請求権は「競技中に利用できなかった重要かつ関連する新たな証拠」が事後に見つかった場合、スチュワードの決定に対して再審理を請求する事ができるというものだ。
再審請求の期限は競技終了後96時間、控訴に関しては決定から1時間以内に控訴の意思をスチュワードに通告しなければならない。
再審理のためにはまず公聴会において、事件に関する新たな証拠を提出し、これをスチュワードに重大かつ関連性があると認めさせなければならない。証拠が認められれば再審理が行われ、改めて一件に関しての調査が行われる事になる。
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