F1中国GPで輝きを取り戻したレッドブル・ホンダ、”弾丸”のようなフェラーリの速さに迫れるか?
パワーユニットの性能がモノを言う上海インターナショナル・サーキット。中国GPのコンテンダーにレッドブル・ホンダの名前が挙がってこない理由がそこにあるわけだが、初日金曜のプラクティスではマックス・フェルスタッペンが俊足を披露。いずれのセッションも僅差でのトップ争いに加わった。
特に午後の2回目のフリー走行でのフェルスタッペンの走りは印象的で、最終コーナーでクルマを滑らせたにも関わらず、最速を刻んだメルセデスのバルテリ・ボッタスに0.221秒という僅差で食らいつき、セバスチャン・ベッテルを射程に捉える3番手タイムを記録した。
バーレーンで見舞われたリアセクションの問題はほぼ解消され、レッドブル・ホンダRB15は再び輝きを取り戻したように見受けられる。ミルトン・キーンズのチームは予選でポール争いを演じ、決勝でシルバーアローと跳馬を苦しめる事が出来るだろうか? クリスチャン・ホーナー代表は満更でもない様子だ。
「最終コーナーのコースオフさえなければ、マックスはボッタスやベッテルと遜色ないタイムを刻んでいたはずだ」とホーナー代表。「これはつまり、今週末の我々には戦えるだけのレースカーがあるという事であり、その点について私はかなり自信を深めている」
確かにRB15は本調子に近づきつつあるように見えるが、ライバルであるフェラーリは今年、直線区間でのトップスピードで他を圧倒しており、上海でも変わらず大きなアドバンテージを保っている。
「フェラーリは素晴らしい仕事をしている」とクリスチャン・ホーナー。「かなりウイングを立てているにも関わらず、ストレートでの速さはミサイルのようだった。彼らにキャッチアップ出来るかどうかは我々次第だが、現時点でフェラーリが圧倒的なベンチマークである事は間違いなく、メルセデスと比較しても印象的なスピードを示している」
幾らホンダエンジンのパフォーマンスが向上しているとは言え、メルセデスとフェラーリは所謂”パーティーモード”と呼ばれる予選専用のエンジンマップを隠し持っており、ポケットの中にある潜在的なタイムは著しく大きいと言える。
ホンダもまた、今季より同様のマッピングを実戦投入しているが、フェルスタッペンとガスリーにポールポジション争いのチャンスを与えるほどの力を持っているのだろうか?
「我々は更なる一歩を踏み出している」とクリスチャン・ホーナー。「ライバルチームほど大きいなゲインがあるかは分からないが、間違いなくスピードを上乗せできる」
「ホンダが冬の間に懸命に取り組んできたのはその点であり、ホンダの今季エンジンが昨年と比べて大きく向上したのは、決勝よりもむしろ予選でのパフォーマンスだ。ルノーからホンダにスイッチした以上、予選でのパフォーマンスが向上するのは必然だ」
フェルスタッペンはFP2のチェッカーを受けてガレージへと戻る際、ギアボックスとクラッチへの不満を述べていたが、この日使用していたのは”金曜フリー走行専用品”。土曜以降への影響は心配する必要がない。グリッド争いはドライコンディションが予想されており、3強チームの真っ向勝負が期待できそうだ。