コラピント移籍の憶測もハジャーを推すマルコ、ペレス進退の決定時期とアブダビF1テスト計画を明らかに
フランコ・コラピント(ウィリアムズ)獲得の憶測が飛び交う中、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、「より速い」とするジュニアドライバーのアイザック・ハジャーを推した。
コンストラクターズ選手権3位に転落したメキシコGPを経て、クリスチャン・ホーナー代表は、「難しい決断を下さねばならない時が来る」と語り、来季の契約を持つセルジオ・ペレス解任の可能性を仄めかした。
ホーナーは、ペレスが今週末のサンパウロGPに参戦することを確認する一方、残りのシーズンについては明言を避けた。パドックでは、ラスベガスから始まる今季ラスト3戦に向けて交代の可能性があるとの見方が出ている。
しかしながらマルコはメキシコGPを経て墺クライネ・ツァイトゥングに対し、「あらゆる選択肢を評価」していると認める一方、「決定はアブダビ後に行われる」と語った。これは、少なくとも今シーズン中の交代はないとするものだが、同時に2025年以降に関しては交代の可能性があると認めるものでもある。
来季のレッドブル及びRBのドライバーラインナップは、シーズン最終戦後に行われるアブダビでのポストシーズンテストの結果を踏まえて下されることになる。同テストで角田裕毅は、レッドブルRB20でタイヤテストを担当する。
マルコは、テストでハジャーを起用する方針を明らかにするとともに、ハジャーがF1参戦にふさわしいかどうかについて尋ねられると、「もちろんだ。彼はすべてのジュニアカテゴリーでフランコ・コラピントより概ね速かった」と太鼓判を押し、アブダビテストがハジャーのキャリアにとって「極めて重要」になると付け加えた。
カタールとアブダビでの2戦4レースを残した現時点でハジャーは、FIA-F2選手権で首位ガブリエル・ボルトレートに4.5ポイント差のランキング2位につけている。
レッドブル首脳陣が口を揃えて話し合いを仄めかしたことで、コラピントのRBまたはレッドブル入りの可能性が取り沙汰されており、一部には既に巨額のオファーを出したとの憶測もあるが、マルコは以前から、コラピント獲得の可能性は限りなく低いと認めていた。
その理由は単純だ。コラピントはウィリアムズの育成ドライバーであり、多額の金銭を支払った上でチームに引き入れ育てたとしても、将来的にウィリアムズに戻ってしまうのでは、ライバルに利益を与えるだけだ。
つまり、これはレッドブルに限った話ではないが、本格的な候補となり得るには、レンタル移籍ではなく、ウィリアムズがコラピントを完全に手放す場合に限られる。
ローガン・サージェントの後任として、イタリアGPでウィリアムズからF1デビューを果たした21歳のアルゼンチン人ドライバーは、多くのスポンサーをチームにもたらしただけでなく、以降の5戦で2回の入賞を果たしてパドックの注目を集めた。
それでも2025年のグリッドに立つ可能性は低い。
サンパウロGPの開幕を前に、コラピントのレッドブル・ファミリー入りに関する噂について問われたマックス・フェルスタッペンは、「彼がグリッドに値するかと言えば、これまでの成果を踏まえるとイエスだと思うけど、現時点でシートを見つけるのは容易じゃない」と語った。
また、コラピント本人も「ウィリアムズがレースシートを用意できないのであれば、他のチームに移籍することを許可し、将来に向けて最善の機会を見つけてくれるのが普通だと思う」とする一方、2025年のシートを過度に期待してはいないとして、「来年が駄目なら、2026年か2027年にはと願ってる」と語った。