安泰に非ず…ローソン、岩佐歩夢やハジャーにRBの2025年F1シートを奪われる可能性も
ダニエル・リカルドの後任としてリアム・ローソンが次戦アメリカGP以降、VCARB 01をドライブすることが発表された。しかしながら、2025年も引き続き、角田裕毅のチームメイトを務めることが確定しているわけではない。
ローソンが約束されているのは2024年シーズンの残り6戦のみであり、この間の成績如何では、岩佐歩夢やアイザック・ハジャーが来季のシートに座る可能性もある。
ローソンは母国ニュージーランドのニューストークZBとのインタビューの中で、来季のシートは未確定なのか?との質問に対して次のように答えた。
「その通りだ。基本的に、今、確定しているのは6戦だ。それ以降については、シーズンが進むにつれて、より詳しいことが分かる感じだ」
「パフォーマンスを発揮してF1で自分の価値を証明する必要がある。来年もシートに留まれるよう、今回のチャンスに繋がった去年のように十分な結果を残さなきゃならない」
ローソンは昨年、オランダGPのフリー走行中に手を負傷したリカルドの代役として5戦に出場し、デビュー3戦目のシンガポールでは9位フィニッシュを飾った。
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表やモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコから来季RB続投のGOサインを得るには、兎にも角にも、シーズンの残り6戦、3スプリントで結果を残すことが必要不可欠だ。
とは言え、走行経験がないサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)での次戦では、エンジン交換ペナルティを受ける見通しであることから、本格的な評価は翌週末のメキシコGP以降と予想される。
マルコはFormel1.deとのインタビューの中で、「我々の元には優れた若手ドライバーがたくさんいる。この並びに評価の意図はないが、ハジャーにローソン、そして岩佐もいる」と語った。
「将来を見据えて比較したいと考えている。ローソンはユーキと比べてどの程度なのか? そして両チームのドライバーの組み合わせをどうすべきなのか?といった観点でね」
スーパーフォーミュラに参戦中の岩佐歩夢は、残り4レースを残してチャンピオンシップをリードする野尻智紀から22.5ポイント遅れのランキング5位につけている。
一方のハジャーは現在、FIA-F2選手権で2位につけており、首位に立つマクラーレン育成傘下のガブリエル・ボルトレートとは僅か4.5ポイント差だ。
英Sky Sportsによると、ローソンの後任として今シーズン末までレッドブル及びRBのF1リザーブ・ドライバーを務めるのはハジャーだ。
ローソンにシートを奪われたリカルドの14年間に渡るF1キャリアは事実上、終了したと言える。
マルコによれば、2018年末を以てレッドブルを離れ、ルノーに移籍する決断を下したことがリカルドにとっての「キャリアのターニングポイント」となった。以降のリカルドからは「殺人本能」が消え失せたとマルコは指摘した。
マルコはまた、ホンダとのワークスパートナーシップが開始される2019年シーズンを前にリカルドが、レッドブルの共同創業者、ディートリッヒ・マテシッツおよび自身と握手を交わして残留に合意していたとも明かした。
しかしながら、当時未知数だったホンダエンジン、並びに、台頭するマックス・フェルスタッペンの隣に立ち続けることへの疑念から、リカルドは新天地でのチャンスを選んだとの考えをマルコは示した。