角田裕毅は「英雄」になり損ねたとマルコ、メキシコでの2度の事故とローソン及びペレスに対する評価を公表
メキシコGPでの2度に渡る角田裕毅のクラッシュと、復帰2戦目に臨んだリアム・ローソン、そしてセルジオ・ペレスについて、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコが評価を下した。
初日には3番手、プラクティスを通してはトップ7を維持し、好結果が期待されたものの、角田裕毅は予選Q2でクラッシュを喫し、決勝ではターン1の接触により僅か十数秒でレースを終えることとなった。
レース開始直後のターン1に向けてのドライブについてマルコは、墺Speedweekのコラムの中で、上手くいけば5ポジションアップを果たす可能性を秘めた仕掛けであり、成功していれば「ヒーロー」になれたと指摘した。
しかしながら現実には、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)の動きに反応してアレックス・アルボン(ウィリアムズ)が寄ってきたために接触。リタイヤに終わった。マルコはこの点に触れて、角田裕毅に責任はないと主張した。
一方で、前日の予選でのクラッシュについては厳しい評価を下した。
マルコは、角田裕毅自身のラップのみならず、その後方でアタック中だったローソンのラップをも台無しにしたとして、RBにとって「二重に悔やまれる結果」だと指摘した。
そして、この「ミス」は、角田裕毅がローソンからの「プレッシャー」を感じていることの表れであるとの予選直後の考えを強調し、「それ以外に説明がつかない」と付け加えた。
ローソンについては、過剰なディフェンスでペレスのRB20にダメージを与えた一件や、ペレスに中指を立てた一件に触れつつも、復帰2戦目のメキシコでも「着実に成長」しており、「感銘を受けた」と記した。
また、角田裕毅のミスがなければ予選でQ3に進出していたはずだとも指摘し、「これまでのところリアム・ローソンは、自分の資質を証明し、寄せられた信頼に応えている」と評した。
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表が明言を避けたことから、今シーズン中のシート喪失の可能性が再び取り沙汰されているペレスに関しては、「酷い週末」を過ごしたと総括した。
予選Q1敗退については「大いに失望」させる結果であったとし、スタートの際に停止位置を誤ったことで5秒ペナルティを科されたことについては、「経験豊富なドライバーがスタート位置を誤るのは理解し難い」と記し、スタートそのものが素晴らしかっただけに「本当に残念だ」と付け加えた。
振るわぬレースリザルトについては、ローソンとの接触によるダウンフォース不足に触れて、堅実な結果を残すに十分なパフォーマンスがクルマから失われていたと指摘した。