リアム・ローソン(RB)、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコ、角田裕毅(RB)、2024年F1メキシコGP
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角田裕毅は「英雄」になり損ねたとマルコ、メキシコでの2度の事故とローソン及びペレスに対する評価を公表

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メキシコGPでの2度に渡る角田裕毅のクラッシュと、復帰2戦目に臨んだリアム・ローソン、そしてセルジオ・ペレスについて、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコが評価を下した。

初日には3番手、プラクティスを通してはトップ7を維持し、好結果が期待されたものの、角田裕毅は予選Q2でクラッシュを喫し、決勝ではターン1の接触により僅か十数秒でレースを終えることとなった。

エルマノス・ロドリゲス・サーキットのターン1脇のバリアに衝突する角田裕毅(RBフォーミュラ1)、2024年10月27日F1メキシコGP決勝レース1周目Courtesy Of Red Bull Content Pool

エルマノス・ロドリゲス・サーキットのターン1脇のバリアに衝突する角田裕毅(RBフォーミュラ1)、2024年10月27日F1メキシコGP決勝レース1周目

レース開始直後のターン1に向けてのドライブについてマルコは、墺Speedweekのコラムの中で、上手くいけば5ポジションアップを果たす可能性を秘めた仕掛けであり、成功していれば「ヒーロー」になれたと指摘した。

しかしながら現実には、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)の動きに反応してアレックス・アルボン(ウィリアムズ)が寄ってきたために接触。リタイヤに終わった。マルコはこの点に触れて、角田裕毅に責任はないと主張した。

一方で、前日の予選でのクラッシュについては厳しい評価を下した。

マルコは、角田裕毅自身のラップのみならず、その後方でアタック中だったローソンのラップをも台無しにしたとして、RBにとって「二重に悔やまれる結果」だと指摘した。

そして、この「ミス」は、角田裕毅がローソンからの「プレッシャー」を感じていることの表れであるとの予選直後の考えを強調し、「それ以外に説明がつかない」と付け加えた。

16位フィニッシュを経てパルクフェルメでグローブを外すリアム・ローソン(RBフォーミュラ1)、2024年10月27日(日) F1メキシコGP(エルマノス・ロドリゲス・サーキット)、2024年10月27日F1メキシコGP決勝レース(エルマノス・ロドリゲス・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

16位フィニッシュを経てパルクフェルメでグローブを外すリアム・ローソン(RBフォーミュラ1)、2024年10月27日(日) F1メキシコGP(エルマノス・ロドリゲス・サーキット)、2024年10月27日F1メキシコGP決勝レース(エルマノス・ロドリゲス・サーキット)

ローソンについては、過剰なディフェンスでペレスのRB20にダメージを与えた一件や、ペレスに中指を立てた一件に触れつつも、復帰2戦目のメキシコでも「着実に成長」しており、「感銘を受けた」と記した。

また、角田裕毅のミスがなければ予選でQ3に進出していたはずだとも指摘し、「これまでのところリアム・ローソンは、自分の資質を証明し、寄せられた信頼に応えている」と評した。

レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表が明言を避けたことから、今シーズン中のシート喪失の可能性が再び取り沙汰されているペレスに関しては、「酷い週末」を過ごしたと総括した。

予選Q1敗退については「大いに失望」させる結果であったとし、スタートの際に停止位置を誤ったことで5秒ペナルティを科されたことについては、「経験豊富なドライバーがスタート位置を誤るのは理解し難い」と記し、スタートそのものが素晴らしかっただけに「本当に残念だ」と付け加えた。

振るわぬレースリザルトについては、ローソンとの接触によるダウンフォース不足に触れて、堅実な結果を残すに十分なパフォーマンスがクルマから失われていたと指摘した。

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