スパ・フランコルシャンのガレージでレッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表と話すセルジオ・ペレス、2024年7月28日(日) F1ベルギーGP
Courtesy Of Red Bull Content Pool

解雇から続投へ 一夜で180度転換か、ペレスの去就に関するレッドブルF1の判断

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2024年の残りのシーズンに向けてセルジオ・ペレスを続投させるか、はたまた解雇するかというレッドブル首脳陣の方針が、24時間で180度ひっくり返ったと報じられている。

F1ベルギーGP明けの翌月曜日に行われた会議でクリスチャン・ホーナー代表とモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、夏休み明けの初戦オランダGPを含む今季残り10戦で34歳のメキシコ人ドライバーを続投させることを決定した。

また、リアム・ローソンと交代される可能性もあったダニエル・リカルドがRBに留まり、シーズン後半戦も引き続き角田裕毅のチームメイトを務めることが合わせて決定された。いずれもレッドブルの広報担当者が事実であると認めた。

ペレスは今年6月初旬に新たな2年契約を結んだものの、5月初旬のマイアミGP以降は7位以上でフィニッシュできておらず、選手権をリードする僚友マックス・フェルスタッペンが141点を加算した一方、過去7戦でのポイント獲得は僅か28ポイントに留まる。

ペレスがタイトル争いに貢献できていない状況についてホーナーは「擁護できない」「片足だけで歩き続けることはできない」と認め、マルコはスパでペレスが「完全に崩壊した」と厳しい評価を下していたが、ラインナップは維持される。

ドイツのテレビ局Sport1の報道によると、ペレスの続投はフェルスタッペンにとって驚きの決断だったという。3度のF1ワールドチャンピオンと父ヨスを含むその家族にはスパを経てホーナーとマルコから、夏休み明けのオランダGPで新しいチームメイトが加わると知らされていたという。

事実であればフェルスタッペンにとって意外な方針転換であったと言えるが、かと言って支持できない決断ではないはずだ。

スパでのレースを経てフェルスタッペンは、優位性を失ったマシンの改善が何より重要であり、ドライバーラインナップは問題ではないと仄めかし、「僕の見解ではチェコの週末はポジティブだった」とチームメイトを擁護した。

ペレスの去就が決定された会議を経てマルコはその翌日の火曜、新たな若手ドライバーの発掘のためにスペイン・ヘレスに飛んだ。

レッドブルの決定についてマルコは「ペレスは残留する。我々は彼を元の調子に戻したいと考えている。リカルドも残留する。何も変わらない」として、決断の背景について詳しく説明することはなかったが、2024年末に再びペレスの去就を検討する計画だと示唆した。

伝えられるところによると、10月下旬に行われるメキシコGPの収益減の懸念から、F1の商業権を保有者するリバティ・メディア社がペレスの解雇を再考するようレッドブルに求めたともされる。

不確実な情報ではあるが、同様の介入は以前にも囁かれたことがある。ペレスがレーシングポイントのシートを失った2020年後半、リバティ・メディアはレッドブルにペレスの起用を検討するよう求めたとの憶測があった。

ペレスは2024年シーズンの最終戦、アブダビGPの舞台ヤス・マリーナ・サーキットでもRB20のステアリングを握るだろうか? シーズン後半戦で状況を好転させることができなければ、レッドブルがコンストラクターズ選手権タイトルを逃す可能性は一層高まる。そうなれば再び噂が飛び交うのは避けられない。