「フェルスタッペンは来季ハミルトンの唯一の対抗馬、ホンダ次第でタイトルを取れる」とジョリオン・パーマー
かつてルノーからF1を戦ったジョリオン・パーマーは、2019年シーズンにルイス・ハミルトンの6度目のタイトルを防ぐ事が出来るのは唯一マックス・フェルスタッペンだと考えており、その鍵を握るのはホンダエンジンだと主張する。
「マックス・フェルスタッペンは間違いなく候補の一人だ」とパーマー。ハミルトンが史上3人目となる5度目のF1ワールドチャンピオンを獲得した事に触れ、BBCで連載中のコラムで自身の見解を示した。
「卓越したスピードという点では、フェルスタッペンが最もハミルトンに近い存在と言えるだろう。彼のペースは凄まじい。もし今年のシーズン序盤に見せていたような気性の悪さをきちんとコントロール出来れば、ハミルトンの真の脅威となりうるはずだ」
フェルスタッペンは第3戦中国GPでチームメイトのダニエル・リカルドに優勝を奪われた後、翌アゼルバイジャンGPでリカルドに対して危険なドライビングで”攻撃”を仕掛け同士討ち。若さゆえか、感情の押さえが効かない事が災いとなりダブルリタイアの引き金を引く事となったが、以降は悪質な走りも影を潜めている。
「レースにおける走りも模範的だ。メキシコGPでは最初のコーナーでハミルトンから上手くポジションを守り、その後は力強いペースを刻みつつ、タイヤとレース全体をマネジメントし、余裕で勝利をかっさらっていった」
フェルスタッペンは第19戦メキシコGPの週末を支配的な強さで制し今シーズン2勝目をマーク。唯一予選ではリカルドに先行を許したものの、決勝では見事なスタートを決めた挙げ句、ターン1ではハミルトンを徹底ガードし一気にトップに躍り出るなど、重要な局面でのドライビングで他を圧倒した。
「レッドブルが来シーズンのチャンピオンシップを争えるかどうかの唯一の懸念点はマシンであり、特にエンジンだが、レッドブルは来シーズン、ルノーからホンダへとスイッチする事で、チーム内には楽観的観測が広がっている。ホンダは過去数シーズンを乗り越えて素晴らしい進化を達成しており、現時点ではルノーを上回っているように見える」
レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、2019年のホンダ製F1パワーユニット「RA619H」は、メルセデスやフェラーリとのパワー差を15馬力にまで収束させると考えており、シャシー側でこの不足分を補えれば、チャンピオンシップを争うことは十分可能だとの認識を示している。
今季選手権2位のセバスチャン・ベッテルは対抗馬とならないのだろうか?パーマーは、フェラーリの今季マシンSF71Hはタイトルを獲れるだけの優れた性能を有していたものの、今年のベッテルは重圧によるミスがあまりに多いと指摘。ハミルトンであればフェラーリに乗っていたとしても今年のチャンピオンシップに勝利していただろう、と述べ、来季タイトル候補から除外している。