2018年マシンマクラーレンMCL33に乗るフェルナンド・アロンソcopyright Mclaren

パーマー、ホンダと決別したマクラーレンを痛烈批判「序列変わらず、高い金を払って恥を晒しただけ」

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英国出身の元F1ドライバー、ジョリオン・パーマーは、母国イギリスに本拠地を置くマクラーレンを辛辣に批判した。選手権争いに返り咲くべく、マクラーレンは今年ホンダからルノーへとエンジンパートナーを切り替えたが、パーマーはその成果は全く出ていないとして「高い金を払って恥を晒しただけ」と主張する。

昨シーズン途中でルノーのシートを追われF1から去ることになったパーマーは、今年からBBCに自身のコラムを寄稿している。F1第7戦カナダGPの勝敗が決した翌日、その最新版を更新。パフォーマンス、信頼性、コストの3つの観点からマクラーレンの判断に疑問を呈した。コラムは次のような書き出しで始まった。

「3年間に渡る低迷についてマクラーレンは、悪いのは”ホンダのGP2エンジン”だと人々に信じ込ませてきた。そしてルノーエンジンにスイッチする事を決断した。同じルノーを積むレッドブルは、V6ハイブリッドエンジンが導入された2014年以降の4シーズンで8勝を上げている」

マクラーレンは昨年までエンジンサプライヤーを独占する立場であったが今年は違う。マクラーレンはルノー製エンジンを使う3チームの中の1つに過ぎず、その中には車体性能の高さで確固たる地位を築くレッドブルがいる。

英国の名門チームは度々「自分たちはグリッド最強のシャシー」を有していると喧伝してきたが、同一エンジンを積むチームの存在によって、その主張が偽りである事が白日の下に晒される事となった。

レッドブルは今季7戦を終えてダニエル・リカルドが2勝を上げているが、マクラーレンは未だ表彰台にすら上がっていない。予選リザルトも散々足るもので、最終Q3ラウンドに進出したのは僅か2回のみ。ホンダを積んでいた昨年よりも劣っている。パーマーは、エンジン切り替えの成果は何も出ていないと指摘する。

「チームにとっては恥を晒す結果になっている。レッドブルは別格の速さを示しており、モントリオールの予選Q2では、ルノーでさえマクラーレンで最速を記録したアロンソよりも1秒近くも前にいるんだからね」

「序盤から続いていたガッカリするようなパフォーマンスに対して、チームからは”本当のマシン”は大型のアップグレードが持ち込まれるスペインで登場すると聞かされていたが、実際には何も変わっちゃいない。序列はそのままだ」

「ホンダエンジンが言われている程悪くないのは明らかだ。トロロッソは既に昨年を超えるベストリザルトを達成しているし、マクラーレンと同等のペースを見せている。エンジンを変更したものの、現実には両チームの間の競争力は大きく変わってはいない。マクラーレンもトロロッソも昨年はミッドフィールドにいたわけで、今年も同じだ」

ジョリオン・パーマー
© Renault、ルノー時代のジョリオン・パーマー

パーマーは、カナダGPの予選で最も遅かったのはマクラーレンだと指摘する声が上がっている事を紹介した上で、次のように評した。

「彼らは14・15番手だったけど、マクラーレンを上回れなかったのはウィリアムズだけだ。ランス・ストロールは自身が犯したミスによって最終アタックでタイムを上げられなかった。そしてセルゲイ・シロトキンはルーキーだ。その点を考慮すれば、そのような指摘は間違いなく的を得ていると言える」

「それだけじゃない。実際のところカナダGPの予選リザルトに関して言えば、マクラーレンはホンダのパワーユニットを使っていた去年の方が今年よりも良い成績を残している。アロンソは2017年に12番手につけていた」

我々は昨年、マクラーレン・ホンダの崩壊が囁かれ始めた際にいち早くその可能性を検証。「金」に焦点を当てて分析し、決別の判断は合理的とは言えないと結論づけた。同じように、パーマーはPUの切り替えに際して発生したコストに着目。チームに与えた影響を次のように指摘する。

「ルノーエンジンへの変更にかかった金額は1億ドルは下らない。ホンダがマクラーレンに支払っていたスポンサーマネーとドライバーへの報酬の半額分、そしてルノーエンジンの対価を合算すればそれに近いコストを支払ったと見なす事ができる」

「それだけの巨額のコストが発生した事もあり、今シーズンのエンジン切り替えを正当化すべく、チームは必死になって明るい未来を約束し続けてきたんだ」

コラムはホンダとの決別は誤りであったと言わんばかりの論説が続くが、パーマーはルノーエンジンに変更した利点もあると主張。それは、パフォーマンス不足の責任をエンジン側に丸投げ出来なくなった事によって、自らが抱える真の問題に向き合えるようになった事だという。

「レッドブルの存在によってマクラーレンは問題の責任をエンジンサプライヤーに転嫁する事が出来なくなり、結果として自分たちの欠点に取り組まざるを得なくなった。昨年、メルセデスエンジンを搭載すれば勝利できると声高に語っていた事を思えば、彼らは自分たちに問題がある事を認識していなかったように思う」