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ニコラス・ラティフィのマクラーレン入が確実な情勢に…父マイケルがグループの株主に

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マクラーレン・グループは5月21日、カナダ人実業家のマイケル・ラティフィが株主として参画した事を明らかにした。遡ること1週間前の14日、同社は第三者割当増資を実施しイギリス領ヴァージン諸島に籍を置くニダラ社(Nidala Limited)から2億380万ポンド、日本円にして約304億3875万円の資本注入を引き受ける事を発表。ニダラ社がマイケルが関与する投資会社である事を認めた。

マイケルの息子ラティフィは、欧州F3、フォーミュラ・ルノー3.5、GP2などを経て、今年F2選手権に参戦する傍らフォース・インディアのリザーブを兼任するレーシングドライバー。第5戦スペインGP後に行われたバルセロナテストにフォース・インディアから参加。初日はハイパーソフトタイヤで5番手タイムを記録。同じコンパウンドで4番手タイムを刻んだハースのロマン・グロージャンから100分の8秒差と印象的な速さをみせていた。

マクラーレンは現在、フェルナンド・アロンソとストフェル・バンドーンの2名がレギュラードライバーを努め、ランド・ノリスがテスト兼開発ドライバーについている。出資は段階的に行われるとしているが、300億円近い大金であるだけに、ラティフィが何らかの形でマクラーレン入するのはほぼ確実な情勢と言える。

少し古いデータだが、2013年のマクラーレングループ全体の営業利益は22.5百万ポンド、日本円で約33億5400万円程度と公表されており、今回の資本注入が如何に大きな額であるかは明白だ。

同じカナダ人ドライバーのランス・ストロールがウィリアムズからF1デビューした際、父ローレンスは日本円にして総額91億円の資金を持ち込んだとされている。かつて”史上最大のペイドライバー”と称されたパストール・マルドナドでさえ年間36億円の資金提供に留まっていた事を考えれば、その称号がラティフィのものとなるのは時間の問題かもしれない。

年間100億円を超える多額の資金提供を行っていたホンダとの提携を解消したことで、マクラーレンがF1に投じる予算は減少。大株主であるマンスール・オジェとシェイク・モハメド・ビン・エッサ・アル・カリファがこれを補填したとみられているが、未だにタイトルスポンサーもなくバランスシートの悪化が懸念されていた。

今回の発表に伴い、マイケル・ラティフィは声明を発表。F1シートを目的とした投資ではないと主張する。「私は長年に渡ってマクラーレンブランドとそのビジネスに憧れを持っていた。同社は自動車やレースといった産業の中で特異なポジションを築いており、長期的な成長が見込まれている。それこそが今回投資を行った理由であり、私はマクラーレンとこの素晴らしいブランドの一部になることを誇りに思っている」

マクラーレンは非上場会社であり、マイケル・ラティフィがどの程度の割合の株式を取得することになるのかは定かではない。だが、単純に資金を受け入れるだけならば株式を売却する必要がない所に、マクラーレンの懐事情の厳しさが見え隠れしている。

グループ会長を務めるシェイク・モハメド・ビン・エッサ・アル・カリファは、ニダラ社からの出資はあくまでも同社の長期成長戦略に対する信任だと述べ、F1のシートを換金したわけではないと強調した。「資本注入は将来に対する我々の戦略への信任であり、グループはこれまで同様に成長に向けたポジショニングに集中していく。我々はマイケル・ラティフィがファミリーに加わった事を喜ばしく思っている」