フェルスタッペン今季2勝目!レッドブル・ホンダと共に選手権首位に浮上 / F1モナコGP《決勝》結果とダイジェスト
2021シーズンFIA-F1世界選手権 第5戦モナコGP決勝レースが5月23日に行われ、予選2番グリッドのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が後続を8.968秒引き離してトップチェッカーを受けた。
今季2勝目、自身初のモナコ表彰台登壇を経てフェルスタッペンは、キャリア初のポイントリーダーに浮上した。ホンダがモナコで勝利したのは、1992年のアイルトン・セナ以来、29年ぶりの出来事だった。
僚友セルジオ・ペレスも予選9番手から4位フィニッシュを果たし、レッドブル・ホンダは計36ポイントを獲得。3台抜きのオーバーカット戦略が光った。
選手権を争うライバルのメルセデスAMGが7ポイントに留まった事で、ホンダとしては1991年以来初の、レッドブル・レーシングとしてはV6ハイブリッド・ターボエンジンが導入された2014年以来初のコンストラクター首位に立った。
メルセデス勢はルイス・ハミルトンが7位完走、バルテリ・ボッタスに至っては2番手を走行していたものの、ピットストップの際にホイールが外れないという珍しいトラブルのためにDNFという最悪の結果に終わった。
LAP 31/78
Drama in the pit lane!
Mercedes cannot get the nut off the front right tyre… Bottas is OUT!#MonacoGP 🇲🇨 #F1 pic.twitter.com/U1nQfz1eIK
— Formula 1 (@F1) May 23, 2021
フェルスタッペンの他には、2位のカルロス・サインツ(フェラーリ)と3位のランド・ノリス(マクラーレン)が表彰台に上がった。プライベートでも仲の良い旧友達は決勝後のグリッドで楽しそうにふざけあった。
These two 🤗#MonacoGP 🇲🇨 #F1 pic.twitter.com/8kvxBmfome
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アルファタウリ・ホンダ勢はピエール・ガスリーがハミルトンを抑え切っての堂々6位入賞を飾った。角田裕毅は16位完走を果たした。
前日22日(土)に開催された予選では、母国シャルル・ルクレール(フェラーリ)がトップタイムをマークしたものの、決勝を直前に行われたレコノサンスラップ中に、左のドライブシャフトに問題が確認されたためレースを欠場を強いられた。
ルクレールは予選Q3の最終盤にプールサイド・シケインの出口でクラッシュを喫し、ギアボックスを含むシャシーへのダメージが懸念されていたが、フェラーリのマッティア・ビノット代表は欠場原因となった故障について、予選での事故とは無関係に発生した可能性があると説明した。
Charles Leclerc: "In the garage it was very difficult to feel ok, but I guess now I'm getting used to this feeling here unfortunately.
"I've never finished a race here – this year, I don't start it. It's a difficult one to take and I also feel for the team."#MonacoGP 🇲🇨 #F1 pic.twitter.com/2GNdbB70iW
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決勝は日本時間23日(日)22時にブラックアウトを迎え、1周3340mのコースを78周する事で争われた。モナコとしては珍しくセーフティーカーが導入されないレースとなり、リタイヤもメカニカルトラブルを抱えたボッタスの1台のみだった。
現地モナコは晴れ、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温20.9℃、路面43.2℃のドライコンディションで開始された。
公式タイヤサプライヤーのピレリは、最も柔らかいレンジのC3からC5までのコンパウンドを投入。11番手以降としてはランス・ストロール(アルピーヌ)と角田裕毅がハードを、ハース勢とエステバン・オコン(アルピーヌ)がソフトを、その他の5台はミディアムを選択した。
2番グリッドからスタートしたフェルスタッペンは、ボッタスを激しく牽制してトップを確保。一貫したペースを刻み続けて78周を完勝した。
オープニングラップを終えて上位10台の並びに変化はなかったが、後方では幾つかポジションが入れ替わった。
予選欠場からの最後尾スタートとなったミック・シューマッハはハースのチームメイト、ニキータ・マゼピンをロウズヘアピンで交わして19番手にポジションを上げた。現時点で確認されている中では、これがコース上での唯一のオーバーテイクだった。
ダニエル・リカルド(マクラーレン)はストロールとキミ・ライコネン(アルファロメオ)に先行を許して13番手に後退。ハードを履いた角田裕毅は、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)とニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)に交わされ17番手にポジションを落とした。
最後までこの2ポジション分を挽回する事はできず、角田裕毅にとってはスタート直後にレースが決する形となった。なお角田裕毅はマゼピンとノリス、シューマッハと共にターン10のトラックリミット違反で白黒旗が振られる場面があった。
ハミルトンは実質的にスタートポジションから2つ落とす結果となった。
ガスリーにアンダーカットを仕掛けるべく、6番手を走行していた30周目という早い段階でハードタイヤに履き替えたハミルトンだが、アルファタウリ・ホンダ陣営は翌周に反応。ガスリーにハードを与えてハミルトンの前方でコースに送り出した。
だがアンダーカットが機能しないだけでは済まず、逆に裏目に出てしまう。
後続のセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)とペレスは、これをチャンスと見てオーバーカットを仕掛け、ベッテルは2台抜き、ペレスに至っては3台抜きを成功させた。この結果、予選9番手のベッテルは今季初の5位入賞を獲得。ストロールも8位フィニッシュを飾り、アストンマーチンは今季初のダブルポイントを獲得した。
追い上げ不能となったハミルトンは、7番手を走行していた69周目にフリーストップを得てソフトタイヤに交換。ファステストラップのボーナスポイントを手にしたが、ランキング首位を守るに十分ではなく2位に後退した。
2021年F1第5戦モナコGP決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 78 | 1:38:56.820 | 25 |
2 | 55 | サインツ | フェラーリ | 78 | +8.968s | 18 |
3 | 4 | ノリス | マクラーレン | 78 | +19.427s | 15 |
4 | 11 | ペレス | レッドブル | 78 | +20.490s | 12 |
5 | 5 | ベッテル | アストンマーチン | 78 | +52.591s | 10 |
6 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 78 | +53.896s | 8 |
7 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 78 | +68.231s | 7 |
8 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 77 | +1 lap | 4 |
9 | 31 | オコン | アルピーヌ | 77 | +1 lap | 2 |
10 | 99 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 77 | +1 lap | 1 |
11 | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 77 | +1 lap | 0 |
12 | 3 | リカルド | マクラーレン | 77 | +1 lap | 0 |
13 | 14 | アロンソ | アルピーヌ | 77 | +1 lap | 0 |
14 | 63 | ラッセル | ウィリアムズ | 77 | +1 lap | 0 |
15 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 77 | +1 lap | 0 |
16 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 77 | +1 lap | 0 |
17 | 9 | マゼピン | ハース | 75 | +3 laps | 0 |
18 | 47 | シューマッハ | ハース | 75 | +3 laps | 0 |
NC | 77 | ボッタス | メルセデス | 29 | DNF | 0 |
NC | 16 | ルクレール | フェラーリ | 0 | DNS | 0 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 20.9℃ |
路面温度 | 43.2℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1モナコGP |
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レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | モンテカルロ市街地コース |
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設立 | 1929年 |
全長 | 3340m |
コーナー数 | 18 |
周回方向 | 時計回り |