モンテカルロ市街地コースのトンネルへと向かうレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2021年5月22日F1モナコGPのFP3にて
Courtesy Of Red Bull Content Pool

跳馬の速さは本物もフェルスタッペンが最速…角田19番手、シューマッハ事故で再び赤旗 / F1モナコGP《FP3》結果とダイジェスト

  • Published: Updated:

1日の休息日を経て、2021 F1第5戦モナコGP土曜3回目のフリー走行が5月22日に行われ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが1分11秒341を記録。公式予選前最後のプラクティスでタイムシート最上部につけた。

雲に覆われた事で涼しいコンディションでのセッションとなったが、フェラーリ勢はあいも変わらずタイヤを上手く機能させ、カルロス・サインツが2番手、シャルル・ルクレールが3番手に付けた。

モンテカルロ市街地コースのトンネルを走行するフェラーリのシャルル・ルクレール、2021年5月20日F1モナコGPフリー走行にてCourtesy Of Ferrari S.p.A.

トンネルを走行するフェラーリのシャルル・ルクレール

メルセデス勢は4番手にバルテリ・ボッタス、7番手にルイス・ハミルトンという結果で、トップ2からはコンマ5秒遅れる結果となった。フェルスタッペンの僚友セルジオ・ペレスは5番手タイムをマークした。

ライバルより低出力のエンジンモードを使用したとみられるものの、シルバーアローのギャップはパワーのみで巻き返せる値とは言えず、タイヤに熱が入らない事でかなり厳しい状況に追い込まれているようにみえる。

ハミルトンはシケインで大きなスナップ・オーバーステアを抱えていた。自信を以てステアリングを握る事が最重要課題であるモナコにおいて、最終プラクティスでのこの挙動は致命的かもしれない。

いずれにせよ、決勝リザルトを決定的に左右する予選はレッドブル、フェラーリ、メルセデスによる三つ巴の戦いが期待できそうだ。

アルファタウリ・ホンダ勢はピエール・ガスリーが9番手とトップ10圏内に入れ込むも、角田裕毅は全車最多となる30周を走り重ねた一方、19番手と沈んだ。FP2での走行時間のロスによる影響は決して小さくない。

予報通り前日夜に雨が降り、路面が完全にリセットされた事もあって、サポートレースを終えて事前にコース上の清掃が行われた。

土曜午前のモナコ上空には一面に雲が垂れ込め、予選結果を占うセッションは降水確率40%、気温18.2℃、路面27.9℃のドライコンディションでスタートした。

グリーンフラッグを迎えても全車が一斉にコースに向かうという事はなく、5分後に2005年のウィナー、キミ・ライコネン(アルファロメオ)が先陣を切ってピットを出ると、その後徐々に各車がコースへと向かっていった。

全車が1セットのタイヤで複数周回のフライングラップを行うため、トラック上はいつものように混雑。計測ラップを妨害されたガスリーは無線で放送禁止用語を使って怒りを爆発させ、最終2つ目のラスカス(ターン18)の先ではランド・ノリスとカルロス・サインツがあわや接触かというシーンを演じた。

ハースのミック・シューマッハにとってはFP2に続く失意のセッションとなった。最終盤、14番手に付けていたシューマッハは、カジノコーナー(ターン4)へのアプローチでリアを滑らせバリアに激突。VF-41は車体左側を中心に大きく破損し、セッションは赤旗終了を迎えた。

予選までに許された時間は2時間のみ。チームは修復作業が間に合ないと判断。シューマッハの予選欠場を発表した。

このアクシデントの前には、ウィリアムズのニコラス・ラティフィがクラッシュを演じ、FP2での角田裕毅と同じ様にプールサイドの出口でクルマを停めた。

1つ目のコーナーをイン側のガードレールにぶつけてバランスを崩し、そのまま2個目のアウト側に突っ込んで右フロントを破損した。

マーシャルは迅速に事故車両とデブリを回収し、セッションは5分の赤旗中断を経て残り12分というタイミングで再開された。

2度のレッドフラッグの影響で、タイムシートの並びは序列を表したものとは言い難いが、アルピーヌやアストンマーチンを差し置いてアルファロメオ、特にライコネンが8番手に付けているのが印象的だ。

2021年F1モナコグランプリ公式予選は、日本時間5月22日(土)22時から全3ラウンド、計1時間に渡ってモンテカルロ市街地コースにて行われる。

2021年F1第5戦モナコGPフリー走行3(FP3)リザルト

Pos No Driver Team Time Gap Laps
1 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:11.294 19
2 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:11.341 +0.047 28
3 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:11.552 +0.258 27
4 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:11.765 +0.471 21
5 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダ 1:11.817 +0.523 18
6 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:11.988 +0.694 20
7 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:12.020 +0.726 20
8 7 キミ・ライコネン アルファロメオ・フェラーリ 1:12.298 +1.004 25
9 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 1:12.357 +1.063 28
10 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:12.537 +1.243 24
11 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ・フェラーリ 1:12.539 +1.245 21
12 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:12.700 +1.406 22
13 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:12.959 +1.665 25
14 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:13.139 +1.845 21
15 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:13.329 +2.035 19
16 9 ニキータ・マゼピン ハース・フェラーリ 1:13.390 +2.096 20
17 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 1:13.447 +2.153 29
18 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:13.475 +2.181 22
19 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダ 1:13.522 +2.228 30
20 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:13.614 +2.320 18

コンディション

天気晴れ
気温18.2℃
路面温度27.9℃

セッション概要

グランプリ名 F1モナコGP
セッション種別 フリー走行3
セッション開始日時

サーキット

名称 モンテカルロ市街地コース
設立 1929年
全長 3340m
コーナー数 18
周回方向 時計回り

F1モナコGP特集