F1モナコGP:論争の的”ヌーベルシケイン”にトラックリミット
フォーミュラ1と国際自動車連盟(FIA)は、5月20日(木)に開幕を迎える2021シーズン第5戦モナコGPの舞台、モンテカルロ市街地コースのヌーベル・シケインにトラックリミットを設ける。
トンネルを抜けた先のターン10・11から構成されるシケインは以前、シケイン・デュ・ポーと呼ばれていたが、更なる速度抑制のために1986年に再設計され、以降ヌーベル(フランス語で”新しい”)・シケインと呼ばれるようになった。
数少ないオーバーテイクポイントであるこのシケインは、縁石の使用を巡って毎年のように論争を呼んでいるが、今回はコース域外走行が厳しくチェックされる事になる。
2016年大会ではルイス・ハミルトンがダニエル・リカルドからの猛追を受けシケインをカット。リカルドが猛抗議したものの罰則はなかった。2019年の前回大会ではランス・ストロールとケビン・マグヌッセンが5秒ペナルティを受けた。
FIAレースディレクターのマイケル・マシは、週末に先立って発行したイベントノートの中で「セッションやレース中にコースを離れてターン10を通過できずにラップタイムを記録した場合、スチュワードによりそのラップタイムは無効とされる」と記した。
違反が確認されると、レースコントロールはその都度、公式メッセージシステムを介してチームにこれを通知する。決勝レース中に2回のトラックリミットを犯したドライバーには白黒旗が提示され、さらに違反を重ねるとスチュワードに報告される。
ただしライバル車両によってコース外に追いやられたと判断された場合は制裁の対象とはならない。
なおターン10・11のエスケープロードを使用した場合は、その場にいるマーシャルが操作するライトが青になるまでコースへの復帰が認められない。