ミック・シューマッハ、ダニエル・リカルド、フェルナンド・アロンソ、セルジオ・ペレス、角田裕毅、ニキータ・マゼピン、カルロス・サインツ、セバスチャン・ベッテルcopyright Formula1 Data

F1モナコGPが角田裕毅含むルーキー勢と移籍組、復帰アロンソにとってターニングポイントとなり得る訳

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角田裕毅を含む3名のルーキーと2021年に新チームに移籍した4名のドライバー、そして3年ぶりにF1復帰を果たしたフェルナンド・アロンソにとってのシーズンは、マイレージという観点で言えば次戦モナコGPでようやく開幕を迎えると言って良いだろう。

新人、移籍組、そしてアロンソらがクルマに手こずりチームメイトに遅れを取っているのは偶然ではない。今季はセバスチャン・ベッテル、ダニエル・リカルド、カルロス・サインツ、セルジオ・ペレスの4名が新天地でのキャリアをスタートさせたが、いずれも例外なくガレージ反対側のドライバーに先行を許している。

シャシーが昨年からのキャリーオーバーであるため、ただでさえ非移籍組にアドバンテージがある事に加えて、今年は例年と比べてあまりにも走行時間が限られている。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックとコスト削減の影響で今年はプレシーズンテストの日数が大幅に削減された。例年は計8日間、昨年は6日間であったが、今季は僅か3日間のみで、ドライバー1人あたり僅か1.5日という有様だ。更にはプラクティスまでが週末あたり1時間削減された。

2021年シーズンはカタロニア・サーキットでの第4戦スペインGPを終えた段階だが、周回数という観点で見れば、これは例年で言うところのプレシーズンテストを終えた状態、あるいは開幕戦を消化したレベルに過ぎない。

以下はバーレーンでのプレシーズンテストから第4戦決勝レースを終えた現時点までの各ドライバーの総周回数と総距離を集計(フリー走行、予選、決勝の全セッションを含む)したものだ。

ドライバー 周回 距離(km)
ピエール・ガスリー 856 4304.991
シャルル・ルクレール 816 4095.16
カルロス・サインツ 801 4013.95
ランス・ストロール 771 3874.033
フェルナンド・アロンソ 771 3862.277
エステバン・オコン 764 3828.065
ルイス・ハミルトン 765 3815.87
ダニエル・リカルド 759 3800.581
アントニオ・ジョビナッツィ 742 3729.701
マックス・フェルスタッペン 738 3711.539
ミック・シューマッハ 735 3683.861
ランド・ノリス 726 3629.676
セルジオ・ペレス 723 3616.799
バルテリ・ボッタス 718 3586.445
キミ・ライコネン 695 3533.133
セバスチャン・ベッテル 704 3498.014
ジョージ・ラッセル 690 3462.319
ニキータ・マゼピン 691 3455.953
角田裕毅 684 3450.285
ニコラス・ラティフィ 632 3159.853

コロナ渦など思いもよらなかった2019年のウインターテストで最も多くの周回数を重ねたのはルイス・ハミルトンで638周、距離にして3452.856kmだが、これは角田裕毅が4ラウンドを終えて稼いだ合計マイレージ(3450.285km)とほぼ同じ数字であり、その意味においては角田裕毅にとっての”シーズン開幕”は第5戦モナコGPと言っても差し支えない(?)だろう。

テスト制限による影響は、角田裕毅を含むニキータ・マゼピンとミック・シューマッハのルーキー勢や、今年1年を来年に向けての準備期間と捉えているアロンソにとってはまだしも、セルジオ・ペレスにとってはあまりに痛い。

メルセデスとの熾烈なタイトル争いにおいて、マックス・フェルスタッペンのサポート役という重要な役割を担う事を期待されているレッドブル・ホンダのドライバーのプレッシャーたるや想像に難くない。特にマシンを限界までプッシュする事が求められる予選パフォーマンスが未だチームメイトに遅れを取っているのもやむを得ないと言える。

だが、誰もが3,000kmのマイルストーンに達した今、マシンを全方位的に信頼できるかどうかがパフォーマンスを大きく左右するモナコで一気に…というわけにはいかないであろうものの、苦戦を強いられてきた復帰および移籍組と新人達は第5戦をターニングポイントとして、徐々にポテンシャルを発揮し始めるはずだ。

現時点での2022年F1競技規約においては、来季のプレシーズンテストは最大3日間✕2回と定められているため計6日間となる公算が高いが、3日間という開幕前テスト日数が新たなスタンダードとならない事を祈るばかりだ。

テストが限られ、移籍組や新人がかなりの長期間に渡って適応に苦労するような状況が生まれてしまうと、チームは新しいドライバーの起用を思い留まる事となり、ドライバーズマーケットの流動性が悪化してしまう 。

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