メルセデスのチームウェアを着たエスターク、2016年シルバーストン・サーキットにて
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メルセデス、オコンのシート確保に大きな自信…ルノー側との再交渉の可能性否定せず

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サマーブレイクまで後1ヶ月少々。水面下で繰り広げられるドライバーマーケットの動きが徐々に表面化する中、メルセデスAMGのトト・ウォルフ代表は、2020シーズンのF1にジュニアドライバーのエステバン・オコンを復帰させる事に大きな自信を示している。

メルセデスは昨年、将来が有望視される22歳のフランス人ドライバーのシートを確保すべく、レンタル契約の締結に向けてルノー側と交渉を進めていた。当時オコンが籍をおいていた旧フォース・インディアは、シーズン途中にランス・ストロールの父ローレンスが買収。移籍の必要に迫られていた。

水面下での交渉はほぼまとまり、メルセデスとオコンは契約直前までこぎつけたが、ハンガロリンクでのレースを終えて夏休み入りした途端にルノーが不意打ち。レッドブルのダニエル・リカルドとの契約を電撃発表したため、オコンは昨季限りでシートを喪失し、今季はメルセデスのシミュレーター作業に従事しつつF1浪人生活を送っている。

オコンの母国、F1フランスGPの金曜会見では、来季オコンの獲得の可能性についてルノーのシリル・アビテブール代表に質問が及んだ。ダニエル・リカルドは2020年末までの2年解約を有しているが、ニコ・ヒュルケンベルグは今季末までとなっている。

アビテブール代表は、ヒュルケンベルグはワークス化して以降のチームを牽引し、開発・リザルトに多大な貢献を残してきたとして、契約更新の可能性を仄めかしつつも「他の選択肢も評価する必要がある。おそらくニコもそう(他チームへの移籍を評価している)だと思うが」と述べ、オコン起用の可能性を否定しなかった。

一方で、ルノー側との再交渉の可能性について問われたトト・ウォルフは、「私はシリルが好きだが、握手を交わすためには、彼に自分が紳士である事を証明してもらわなければならない」と昨年の”裏切り行為”に触れた上で、オコンの来季シート獲得に自信を示した。

「我々はあらゆる選択肢を検討している。エステバンは紛れもなく最も有望な若いドライバーの1人であり、F1に参戦するに相応しい人物だ。私は、彼が来年F1マシンに乗るであろう事を非常に楽観視している」

「無冠の帝王」とも称されるヒュルケンベルグは、高くその実力を評価されながらも、F1参戦164レース目にして未だ一度も表彰台に上がったことがなく、決勝での最高位は4位に留まっている。