何故これほどの大差が…ラティフィ「アルボンの域」に達していないと認める
ウィリアムズのニコラス・ラティフィは2022年シーズンのF1開幕4戦を終えてアレックス・アルボンに匹敵するパフォーマンスを一度も残せておらず、2年ぶりのF1復帰を果たした新たなチームメイトに対し、完膚なきまでに遅れを取っている。
3年目のF1シーズンを迎えた26歳のカナダ人ドライバーは今年、ブレーキの炎上爆発に見舞われアルボンがタイム計測できなかったイモラを除き、今季これまでの予選でチームメイトに全敗している。
単にポジションで劣っているというだけでなく、予選でのチームメイトとのタイム差は平均1.177秒(開幕:0.970秒、第2戦:1.325秒、第3戦:1.237秒)にまで達している。
なお、ラティフィはジョージ・ラッセルをチームメイトとしていた昨年の予選成績で2勝20敗と大きく負け越しているが、それでも僚友との平均予選ギャップはコンマ3秒程度だった。
第1戦 | 第2戦 | 第3戦 | 第4戦 | |
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アレックス・アルボン | 14位 | 17位 | 16位 | NC |
ニコラス・ラティフィ | 20位 | 19位 | 19位 | 18位 |
また決勝に関しても、一度もチームメイトを上回るポジションでフィニッシュできておらず、ミック・シューマッハ(ハース)と並び未だノーポイントで、ドライバーズランキング最下位ともがき苦しんでいる。
2022年の新生グランドエフェクトカーに適応する必要があるのは誰もが同じだが、RaceFansによるとラティフィは誠実にも「アレックスの方が明らかにクルマを乗りこなしている」と述べ、アルボンの走りに見習うべき点があると認めた。
「マシンのペースに関係なく、ダウンフォースは不足しているし、バランスの面でも問題を抱えているけど、彼はその点で僕より良い仕事をしている。だから僕もその域に到達しなきゃならない」
アルボンに遠く及ばないのは「クルマのフィーリングと信頼感」の欠如が原因だとラティフィは説明する。
「ブレーキングが遅すぎるとか、ミッドスピードをキャリーできていないとか、そういうドライビングスタイルの問題じゃないんだ」
「クルマに自信が持てなければ、より技術的な部分に取り組むことはできない」
自信の欠如がパフォーマンスに影響しているとの見解についてチーム代表のヨースト・カピートはイモラでの土曜会見の中で「ああ、もちろん。心理的なものだろう」と答えた。
「彼は今も速く走れるだけの能力があるし、適切な場所にいればアレックスと同じラップタイムを出すことも可能だと私は確信している」
「今年のクルマは昨年と比べて少しドライブするのが難しく、またトリッキーでもあるため、その部分で頭を使う必要があるが、チームは全面的にサポートしている」
なおラティフィは昨年の最終アブダビGPでクラッシュを喫してマックス・フェルスタッペンとルイス・ハミルトンのタイトル争いを決定づける事となり、殺害予告を含む誹謗中傷に心を痛めた。
カピートはこの件が今季のラティフィの不振の一因である可能性を否定しなかった。
「断定するのは難しいものの、昨年、彼に最も影響を与えたのはソーシャルメディア上のコメントと脅威だったと思う」とカピートは語った。