ヒュルケンベルグ「ん?何だって?」ペースに関して反論、角田裕毅同様の理由でリタイヤか
ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)は旧仕様のVF-23で臨んだ50周のレースの46周目、エスケープ・ゾーンにクルマを停め、初開催のF1ラスベガスGPをリタイヤで終えた。
コンストラクターズ選手権最下位からの脱出を目指すハースは、今年3回目にして最後の母国レースを無得点で終えた。
アップグレード版のVF-23をドライブしたケビン・マグヌッセンは、僚友とは異なり完走したが、序盤にトップ10圏内を走行しながらも、摩耗やグレイニングに苦しみ13位に終わった。
リタイヤの原因についてヒュルケンベルグは「パワーユニットに何か問題があったんだ。急にパワーユニットが落ちて、それで終わってしまった」と説明した。
ヒュルケンベルグのマシンストップの翌周にクルマを停めた角田裕毅もパワーユニットのトラブルが疑われている。最終アブダビGPでの交換ペナルティが懸念されるところだ。
13番グリッドに着いたヒュルケンベルグは、ランド・ノリス(マクラーレン)のクラッシュに伴うセーフティーカー(SC)を経て入賞圏内10番手に浮上したが、以降は徐々にポジションを落としていき、最終第2スティントは16番手より上を走る事ができなかった。
ペース的に厳しそうだったけど?との質問が飛んだ。まさかそんな事を言われるとは思ってもみなかったヒュルケンベルグは「ペースが何だって?」と聞き返した。
「厳しかった? いや、そんなに悪くないと思うんだけどな(笑 でもまぁ、トラフィックを掻き分けなきゃならないレースだったね」
「スタートは良かったんだ。でも、あの事故で外側を回ってターン1を通過しなきゃならず、あれでかなりのポジションを落としてしまった」
「でもその後はクルマの感触がかなり良かったし、もっと引き出せるペースがあるとも感じることができた。ただ、常にトラフィックの中を走らなきゃならず、グレイニング防止のために思うようにプッシュすることもできず、少し足を引っ張られてしまった」
「でもまあ、マシな方の日曜日になったと言えるんじゃないかな」
チーム代表を務めるギュンター・シュタイナーは「二人ともクルマからベストを引き出そうと懸命に戦ってくれた」と労をねぎらった。
「我々は大物連中たちに接近できず、2台ともがウィリアムズの後方に引っかかってしまった。彼らはストレートで本当に速いんだ。だから追い抜く事ができなかった」
「ニコの方は残念ながらエンジンに何かあって、ケビンは13位で帰ってきた。我々は何も悪くないと思う」
11月18日(土)にラスベガス市街地コースで行われた2023年F1第22戦ラスベガスGP決勝レースでは、2番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が通算53勝目を飾った。
ヤス・マリーナ・サーキットを舞台とするシーズン最終アブダビGPは11月24日のフリー走行1で幕を開ける。