優勝してガッツポーズをとるマクラーレンのダニエル・リカルド、2021年9月12日F1イタリアGP決勝レースにて
Courtesy Of McLaren

リカルド「狂ってる!」マクラーレンに9年ぶりの勝利、フェルスタッペンは事故DNF / F1イタリアGP《決勝》結果とダイジェスト

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2021シーズンFIA-F1世界選手権 第14戦イタリアGP決勝レースが9月12日にスピードの殿堂「モンツァ・サーキット」で行われ、3番グリッドのダニエル・リカルドが後続を1.747秒引き離し、マクラーレンに2012年ブラジルGP以来となる9年ぶりの勝利をもたらした。

イタリアの血を引く32歳のオーストラリア人ドライバーにとっては3年ぶりの優勝で、2位にチームメイトのランド・ノリスが続いた事でマクラーレンが2010年カナダGP以来となる11年ぶりの1-2フィニッシュを飾った。

表彰台セレモニーではオーストラリア国歌が鳴り響き、マクラーレンのザク・ブラウンCEOもポディウムに上がった。シャンパンシャワーでは恒例のシューイが行われ、ノリスが巻き添えを食った。

「今年はずっとサンドバッグみたいにメチャクチャ辛いシーズンを過ごしてきたけど(笑、この3週間はホント好調で、1-2フィニッシュはもちろんマクラーレンにとって途方も無いものだし、表彰台に上れるなんて…言葉がないよ!狂ってる」

リカルドは最終ラップで1分24秒812のファステストラップを刻み満額の26ポイントを手にすると共に、この日のDriver of the Day(ドライバー・オブ・ザ・デイ)にも選出された。

ホンダF1、悪夢の3台リタイヤ

ホンダF1にとっては3台がリタイヤ(正確には1台はDNS)という悪夢の結果に終わった。

ポールシッターのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は26周目にルイス・ハミルトン(メルセデス)とサイド・バイ・サイドでターン1にアプローチ。スペースがなくイン側の縁石に乗り上げた事で車体が宙に浮き、ハミルトンの車両に覆いかぶさるようにしてクラッシュした。

一件はレース後の審議となり、スチュワードはフェルスタッペンに「主な過失」があるとして、次戦ロシアGPでの3グリッド降格ペナルティと、2点のペナルティポイントを科す裁定を下した

誰もが予想だにしないリザルトの背景にチャンピオンシップ争いを繰り広げるリーダー同士のクラッシュというドラマがあった事は確かだが、リカルドがオープニングラップで交わしていなければフェルスタッペンが後続に大差をつけて圧勝を飾った可能性が高く、その意味でこの日のレース結果は1周目のターン1までに決したとも言える。

ホンダF1エンジン勢はフェルスタッペンのみならず、アルファタウリの角田裕毅とピエール・ガスリーもチェッカーを前に姿を消した。

前日のスプリント予選でクラッシュを喫したガスリーは決勝を前に、別スペックのES(バッテリー)を含む全PUコンポーネントを交換。更にギアボックスを新調しクルマに変更を加えた事でピットレーンスタートとなった。

シートからウイング、ノーズ、ブレーキ、フロア等、大幅な変更作業が行われたため調整が必要で、レコノサンスラップでガスリーは「こんなんじゃレース出来ないよ!」とクルマの問題を訴えていた。

その後の調整を経てガスリーは問題は解決したと報告したが、レースが始まるとこれに関連したものかどうかは不明ながらもトラブルに見舞われたようで、3周目にガレージにクルマを入れリタイヤした。現時点では詳しい原因は明らかにされていない。

なお角田裕毅の方は、グリッドに向かう途中で修復不可能なメカニカルトラブルが確認された事でレースをスタートする事すら叶わなかった。テクニカル・ディレクターのジョディ・エギントンはブレーキトラブルが発生したと説明した。

残った最後の1台、セルジオ・ペレスは3位フィニッシュを飾ったものの、レース中盤のシャルル・ルクレール(フェラーリ)とのバトルの際にコース外に出てアドバンテージを得たとの判断が下され5秒ペナルティーを受けた事で5位に後退した。

この結果、最後尾スタートのバルテリ・ボッタス(メルセデス)が3位表彰台に滑り込み、ルクレールが4位入賞を果たした。

アルファタウリ・ホンダがWリタイヤとなった一方、同じくホームグランプリを迎えたスクーデリア・フェラーリはカルロス・サインツも6位フィニッシュを飾り、ダブル入賞でティフォシの期待に応えた。

アルピーヌはフェルナンド・アロンソが8位、エステバン・オコンが10位となり、こちらも2台揃ってポイントを持ち帰った。

入賞残り2枠は、7位にランス・ストロール(アストンマーチン)、9位にジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)という結果だった。

レース概要

第14戦の舞台であるモンツァは、現存するサーキットとしては世界で3番目に長い歴史を持つ伝統あるコースで、F1グランプリの開催数はシルバーストンやスパ・フランコルシャンを上回り71回を誇る。

ラップタイムの78%、全長の85%がエンジン全開となるF1最速のサーキットであり、エンジンパワーがラップタイムに与える影響もF1随一だ。

前日11日(土)に開催されたスプリント予選ではボッタスが優勝を飾ったものの、4基目投入によるエンジン交換ペナルティーを受け最後尾に降格となったため、フェルスタッペンが繰り上がりのポールポジションについた。

公式タイヤサプライヤーのピレリは中間レンジのC2からC4までのコンパウンドを投入。ハミルトン、ロバート・クビサ、バルテリ・ボッタス、ピエール・ガスリーの4台がハードタイヤを履いてスタートに臨んだ。

決勝は日本時間12日(日)22時にブラックアウトを迎え、1周5,793mのコースを53周する事で争われた。現地モンツァは晴れ、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温28.3℃、路面44℃、湿度36.9%のドライコンディションで開始された。

レース展開

オープニングラップでは、2番グリッドのリカルドが好スタートを切り、ターン1でフェルスタッペンを交わしてラップリーダーに躍り出た。4番グリッドのハミルトンは一旦ノリスを交わしたものの、ターン4へと至る際にフェルスタッペンと横並びとなりコースオフ。ポジションを失った。

ミッドフィールドでは、地元出身のアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)がターン4の出口でサインツにリアを突かれスピンを喫し、バーチャル・セーフティ・カー(VSC)が導入された。

幸いにもクルマへのダメージは限定的で、ジョビナッツィはフロントウイングを交換してハードタイヤに履き替え、最後尾19番手でコースに復帰したが、スピンに至る前に危険な形でコースに復帰したとして5秒ペナルティーが科された。

セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)はチームメイトのストロールにレズモのアウト側に追いやられる形となり、オコンとニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)に追い抜きを許し、更に12番手争いを繰り広げていた15周目には、ターン4へのブレーキングの際にオコンと接触。コース外に押し出される格好となり、スチュワードはオコンに5秒ペナルティを科した。

ラップリーダーのリカルドは全車最速となる23周目にピットイン。2番手を走るフェルスタッペンもその翌周に反応してピットに入ったが、交換してピットアウトするまでに11秒を要して一時、10番手にまで後退した。

同じタイミングでハミルトンはノリスを交わしてラップリーダーに浮上。25周目にタイヤ交換を行いコースに復帰したところフェルスタッペンと遭遇。ターン1で派手なクラッシュを演じてリタイヤした。

レースは31周目にリスタートを迎えた。ノリスはターン3のイン側を刺してルクレールを抜き去り2番手に浮上。マクラーレンが1-2体制を築いた。

全車が第2スティントに入るとレースは安定期を迎え、コース上でのオーバーテイクは殆ど記録されず、レースはマクラーレンの11年ぶりの1-2という劇的結末で終わりを迎えた。

ニキータ・マゼピン(ハース)は残り10周というタイミングで、アスカリ(ターン10)のコース脇にクルマを止めリタイヤした。原因は不明だがエンジントラブルの可能性がある。これに伴いバーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入された。

なおマゼピンはターン4での接触によってチームメイトのミック・シューマッハをスピンさせたとして5秒ペナルティが科されていたが、意味を成すことはなかった。

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 53 1:21:54.365 26
2 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 53 +1.747s 18
3 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 53 +4.921s 15
4 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 53 +7.309s 12
5 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダ 53 +8.723s 10
6 55 カルロス・サインツ フェラーリ 53 +10.535s 8
7 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 53 +15.804s 6
8 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 53 +17.201s 4
9 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 53 +19.742s 2
10 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 53 +20.868s 1
11 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 53 +23.743s 0
12 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 53 +24.621s 0
13 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ・フェラーリ 53 +27.216s 0
14 88 ロバート・クビサ アルファロメオ・フェラーリ 53 +29.769s 0
15 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 53 +51.088s 0
NC 9 ニキータ・マゼピン ハース・フェラーリ 41 DNF 0
NC 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 25 DNF 0
NC 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 25 DNF 0
NC 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 3 DNF 0
NC 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダ 0 DNS 0

コンディション

天気
晴れ
気温
28.3℃
路面温度
44℃

レース概要

グランプリ名
F1イタリアGP
レース種別
決勝
レース開始日時

サーキット

名称
モンツァ・サーキット
設立
1922年
全長
5793m
コーナー数
11
周回方向
時計回り

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