笑顔で会話するレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとマクラーレンのダニエル・リカルド、2021年9月11日F1イタリアGPスプリント予選にて
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フェルスタッペンとリカルドが最前列!ハミルトンは後退5番手「過小評価の代償」F1イタリアGP《スプリント》結果とダイジェスト

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史上2回目の開催となるスプリント予選が2021 F1第14戦イタリアGPの2日目を迎えた9月11日(土)にモンツァ・サーキットで行われ、1番グリッドのバルテリ・ボッタス(メルセデス)が18周のレースを制した。

3番グリッドのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)はポジションを上げて2番手フィニッシュを飾り、日曜のレースでの繰り上がりポールポジションを獲得した。優勝のボッタスはパワーユニット交換に伴うグリッド降格ペナルティで最後尾スタートが確定している。

3番手はダニエル・リカルド(マクラーレン)。MCL35Mとの悪戦苦闘が続く厳しいシーズンを過ごしてきた32歳のオージーは、5番グリッドからポジションを2つ上げる活躍に「久しぶりに嬉しい!」と満面の笑みを見せた。決勝では旧友フェルスタッペンと並びフロントローに並ぶ。

タイトルを争うルイス・ハミルトン(メルセデス)は2番グリッドにつくも、スタートで失速して5番手に後退。前を行くランド・ノリス(マクラーレン)を追走し続けたがオーバーテイクのチャンスはなく、失望の5番手に終わった。

「ソフトタイヤの性能を過小評価していた。それが現実だ」とハミルトンは肩を落とした。背後からスタートしたマクラーレンの2台はソフト、ハミルトンはミディアムを履いてグリッドについた。

「明日はどうやってマクラーレンを交わし、ダメージを抑えるかを考えなきゃならない。レッドブルのペースは見ての通りだし、加えてポールポジションなんだから、楽に勝つだろうね」

上位3名にはメダルと共にチャンピオンシップポイントが与えられた。フェルスタッペンは2ポイントを得てハミルトンに対するリードを5点に広げた。

2021年9月11日のF1イタリアGPスプリント予選で2番手を獲得してメダルをぶら下げるレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンCourtesy Of Red Bull Content Pool

2021年9月11日のF1イタリアGPスプリント予選で2番手を獲得してメダルをぶら下げるレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン

1ラップタイムではなくスプリントレースのリザルトによって日曜の決勝スターティング・グリッドを決するこの新しい試みは、決勝レースの3分の1に相当する約100km、モンツァを18周する事で争われた。

土曜午後の現地は晴れ、スプリント予選は気温28.3℃、路面43.1℃、湿度36.9%のドライコンディションで開始された。公式タイヤサプライヤーのピレリは中間レンジのC2からC4までのコンパウンドを投入。マクラーレン勢、アルピーヌ勢、アストンマーチン勢、そして角田裕毅の7名がソフトを、その他の13名がミディアムを履いてグリッドについた。

最大のオーバーテイクチャンスと目された注目のオープニングラップでは、ハミルトンがスタートで出遅れマクラーレン勢とピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)に先行を許した。メルセデスはチームオーダーによるボッタスとの順位入れ替えの機会を失った。

昨年のモンツァウィナー、ガスリーは5番手に浮上するも、フェルスタッペンとの接触を避けるべくバックオフしたリカルドのリアにターン1で軽く接触。フロントウイングが脱落してターン3でコントロールを失い、グラベルを乗り越えてバリアに激突した。セーフティーカーが導入された。

後方では角田裕毅と接触したロバート・クビサ(アルファロメオ)がスピンを喫した。日本人ルーキーはこのインシデントでフロントウイングとタイヤ交換を余儀なくされた。

アルファタウリ・ホンダ勢は2つのフロントウイングを失い、1台がリタイヤ、もう1台が16番手という失望の結果に終わった。

4周目にレースが再開されると、チームメイトの牽引役を担った事で予選9番手に沈んだセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)がランス・ストロール(アストンマーチン)にオーバーテイクを許して10番手に後退した。

だが10周目にやり返してポジションを奪い返すと、元の9番手でフィニッシュラインを駆け抜けた。前方のガスリーがリタイヤしたにも関わらずポジションが変わらなかったのは、アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)にパスされたためだ。来季契約が危ぶまれるイタリア人ドライバーは母国観衆を前にポジションを2つ上げて8番手を手にした。

一旦レースが落ち着くとDRSトレインが発生。例年通りの抜けないモンツァが顔をのぞかせた。ハミルトンが挽回できなかった事が象徴的であるように、コース上のアクションは限られた。

ボッタスの最後尾スタートが確定している中でリスクを負うメリットはなく、フェルスタッペンは終始2秒差を維持してチェッカーフラッグを受けた。

母国レースのフェラーリはカルロス・サインツがFP2でクラッシュを喫し、シャルル・ルクレールが体調不良を理由に直前のプラクティスを早めに切り上げるなど問題が山積していたが、ルクレールはグリッドにつき、メカニック達は無事、時間内にクルマの修復を終えた。ルクレールは6番手、サインツは7番手でクルマを降りた。

2021年F1第14戦イタリアGPスプリントリザルト

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 18 27:54.078 3
2 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 18 +2.325s 2
3 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 18 +14.534s 1
4 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 18 +18.835s 0
5 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 18 +20.011s 0
6 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 18 +23.442s 0
7 55 カルロス・サインツ フェラーリ 18 +27.952s 0
8 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ・フェラーリ 18 +31.089s 0
9 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダ 18 +31.680s 0
10 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 18 +38.671s 0
11 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 18 +39.795s 0
12 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 18 +41.177s 0
13 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 18 +43.373s 0
14 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 18 +45.977s 0
15 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 18 +46.821s 0
16 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダ 18 +49.977s 0
17 9 ニキータ・マゼピン ハース・フェラーリ 18 +62.599s 0
18 88 ロバート・クビサ アルファロメオ・フェラーリ 18 +65.096s 0
19 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 18 +66.154s 0
NC 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 0 DNF 0

コンディション

天気晴れ
気温28.3℃
路面温度43.1℃

セッション概要

グランプリ名 F1イタリアGP
セッション種別 スプリント
セッション開始日時

サーキット

名称 モンツァ・サーキット
設立 1922年
全長 5793m
コーナー数 11
周回方向 時計回り

F1イタリアGP特集