モンツァ・サーキットを周回するレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2021年9月10日F1イタリアGPフリー走行1にて
Courtesy Of Red Bull Content Pool

ハミルトン、予選前に首位も「PUで0.4秒を隠し持っている」とレッドブルを警戒 / F1イタリアGP《FP1》結果とダイジェスト

  • Published: Updated:

史上2回目のスプリント予選フォーマットが適用される2021年F1世界選手権イタリアGPが9月10日にモンツァ・サーキットで開幕を迎え、日本時間21時半から予選前唯一のプラクティスとなる金曜1回目のフリー走行が行われた。

グランプリ一発目のセッションを制したのはメルセデスのルイス・ハミルトン。1分20秒926のトップタイムを記録した。2番手には0.452秒遅れでポイントリーダーのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が続き、シルバーアローからアルファロメオへの移籍が発表されたばかりのバルテリ・ボッタスが3番手につけた。

レッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表は、ここモンツァと次のソチでのメルセデスの優位を口にしており、予選トップ3に入れば御の字だと言う。セルジオ・ペレスは10番手でクルマを降りた。なおフェルスタッペンは開始序盤にコースオフを喫する場面があった。

タイトル争いのライバルに年間上限を超える4基目を投入させるための小芝居か、メルセデスは今週末のハミルトンに4基目のエンジンを投入してグリッド降格ペナルティを受ける事を検討していると主張する。

トト・ウォルフ代表はSky Sportsとのインタビューの中で、信頼性だけでなく出力低下という側面を踏まえて交換を検討している事を認めた。またレッドブル・ホンダ勢と大差がついたFP1の結果については、ホンダがエンジンを低出力モードで走らせていた事が大きな要因との認識を示した。

「彼らがエンジンを上げたのはたった1周だけで、それもセッションのかなり早い段階でのペレスだった。故に私はパワーユニットという点で彼らがおそらくコンマ3・4秒をポケットに隠し持っているものと見ている」

イギリスに続いて特殊なフォーマットで行われる今回のイタリアGPでは、2日目にもう1時間の練習走行があるもののFP1を終えると次は予選で、以降はパルクフェルメ規定が有効となる。そのためチームはこのセッションのみで週末全体で使用するセットアップをフィックスさせなければならず、各ガレージは非常に慌ただしい60分間を過ごす事となった。

世界で3番目に古い歴史を持つモンツァ・サーキットはF1カレンダーの中で最もエンジン全開率が高く、ダウンフォースを限界まで削った特別仕様のパッケージが持ち込まれるのが通例だ。低速からのトラクション性能が要求されるためサスペンションのセッティングも重要で、スリップストリームによる効果は1周あたり0.7秒近くもある。

予選前唯一のセッションは気温27℃、路面温度40℃のドライコンディションでスタート。公式タイヤサプライヤーのピレリは中間レンジのC2からC4までの3種類のコンパウンドを持ち込んだ。セッションの半分を消化してなおソフトタイヤを履いたのはハースの2台のみで、各車ミディアムタイヤを履き集中的にセットアップ作業に取り組んだ。

予選では使用タイヤがソフトに制限されるにも関わらず、興味深いことにメルセデス、マクラーレン、アルピーヌの3チームがソフトコンパウンドを一切使用せずにセッションを終えた。

特異な状況であるためタイムシートは決して序列を十分に代表したものとは言えないが、ランス・ストロールが4番手、セバスチャン・ベッテルが6番手と、アストンマーチンが珍しくも2台揃って上位にクルマを並べた点は印象的だ。

昨年のウィナー、ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)は定位置となりつつある5番手タイムを刻んだ。来年もガスリーの隣に居座る事が決まった角田裕毅は、チームメイトから0.811秒遅れの14番手でクルマを降りた。セッション開始直後にはシートベルトが緩んでいると訴える場面もあった。

ランド・ノリス(マクラーレン)は最終盤にタイムシートの2番目に自身の名を掲げたものの、パラボリカ(ターン11)でトラックリミットとなり12番手に終わった。なお序盤にはブレーキペダルが「スポンジ状態」だとして不満を訴えていた。ダニエル・リカルドはフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)に次ぐ9番手タイムを刻んだ。

ホームレースを迎えるスクーデリア・フェラーリはカルロス・サインツが7番手、シャルル・ルクレールが11番手でセッションを終えた。パワーユニットの非力さを理由に、マッティア・ビノット代表は難しい週末になると予想する。

コロナ陽性のキミ・ライコネンに出走許可が降りなかったため、アルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィは先週のオランダGPに引き続き、今週末もロバート・クビサとタッグを組む。来季シートが危ぶまれるイタリア人ドライバーは13番手、ピンチヒッターのポーランド人ドライバーは16番手をマークした。

2021年F1イタリアGPの次のセッションは、通常のFP2ではなく日本時間9月10日(金)25時からの公式予選となる。

2021年F1第14戦イタリアGPフリー走行1(FP1)リザルト

Pos No Driver Team Time Gap Laps
1 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:20.926 28
2 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:21.378 +0.452 22
3 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:21.451 +0.525 29
4 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:21.676 +0.750 23
5 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 1:21.719 +0.793 28
6 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:21.824 +0.898 26
7 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:21.914 +0.988 26
8 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:21.926 +1.000 24
9 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:22.003 +1.077 27
10 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダ 1:22.039 +1.113 23
11 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:22.102 +1.176 25
12 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:22.103 +1.177 27
13 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ・フェラーリ 1:22.270 +1.344 26
14 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダ 1:22.530 +1.604 31
15 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:22.534 +1.608 27
16 88 ロバート・クビサ アルファロメオ・フェラーリ 1:23.009 +2.083 28
17 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 1:23.092 +2.166 31
18 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:23.442 +2.516 30
19 9 ニキータ・マゼピン ハース・フェラーリ 1:23.445 +2.519 23
20 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:23.551 +2.625 23

コンディション

天気晴れ
気温27℃
路面温度40℃

セッション概要

グランプリ名 F1イタリアGP
セッション種別 フリー走行1
セッション開始日時

サーキット

名称 モンツァ・サーキット
設立 1922年
全長 5793m
コーナー数 11
周回方向 時計回り

F1イタリアGP特集