インディカー 第7戦デトロイト2決勝:ディクソン勝利、佐藤琢磨は手にしかけた3位表彰台を失い13位
2019年NTTインディカー・シリーズ第8戦シボレー・デトロイトGP決勝レース2が、現地6月2日(日)にミシガン州ベル・アイル・パーク・レースウェイで行われ、チップ・ガナッシ・レーシングのスコット・ディクソンがキャリア通算45勝目を飾った。
予選16番手からの巻き返しを図ったレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨は、競争力に劣るクルマをベテランの経験で補い、3位表彰台に手が届く位置を走りながらも、レース最終盤に他車と接触。タイヤがパンクしたことで余計なピットストップを強いられ、13位でフィニッシュした。
2位はマーカス・エリクソン(Schmidt Peterson)。F1からインディカーへと転向後、初の表彰台に上がった。3位はウィル・パワー(Team Penske)。シボレーのお膝元でのレースではホンダ勢が高燃費を活かして上位を独占。パワーはシボレー勢として唯一トップ10に食い込んだ。
前日のレース1は雨に見舞われたものの、レース2は現地15時50分にドライコンディションの中でスタート。70周、距離にして164.5マイル(264.73709km)で争われた。プッシュ・トゥ・パスは計150秒。1回の使用に付き最大15秒間のエクストラエンジンパワーが許可された。
直前の予選でトップにから1.3秒も遅れた佐藤琢磨は、決勝レースを前にセットアップを大幅に変更。起死回生の逆転にかけてレースに臨んだ。
オープニングラップでは複数台が絡む多重クラッシュが発生。後続車に当てられたパトリシオ・オワードがスピンを喫し、これにシモン・パジェノーとトニー・カナーンが突っ込んだ。これにより早くもフルコースイエローが発生。ピットオープンと同時にスコット・ディクソンやスペンサー・ピゴットら5台除く全車がピットイン。タイヤ交換義務を消化した。
ブラックタイヤへと履き替えた佐藤琢磨は、ポジションを上げて14番手に浮上。コーションラップ中には、ウィル・パワーがギアボックストラブルでマシンストップするアクシデントもあった。レースは8周目にリスタートを迎えた。
15周目には、崖を迎えたレッドタイヤで走行を続けていたスペンサー・ピゴットにセバスチャン・ブルデーが激突した。ピゴットはピットエントリー脇の壁に接触し、ブルデーはフロントウイングを脱落。2度目のフルコースイエローとなった。
佐藤琢磨はピットオープンと同時に給油のためにピットへと向かい12番手でコースに復帰。21周目にリスタートを迎えるとエド・ジョーンズとマーカス・エリクソンの2台追い抜き、10番手に浮上した。
33周目、ピットアウトした直後のジェームズ・ヒンチクリフに悲劇が襲った。ジョセフ・ニューガーデンとアレキサンダー・ロッシがそれぞれ単独スピン。クルーの見事なピット作業でポジションを上げたものの、このアクシデントに巻き込まれ順位を落とす事となった。ロッシはすぐにコースへ戻ったものの、ポールシッターのニューガーデンはレース終了。3度目のフルコースイエローが出された。
このタイミングで全車1回目のピットストップを消化。ディクソンがトップに立ち、2番手にエリクソン、3番手に佐藤琢磨が続く展開となり、レースは40周目にリスタートを迎えた。
ディクソンは46周目に、エリクソンと佐藤琢磨は47周目に最後のピットインを行い、並びそのままにコースに復帰するも、 第2スティントを長く引っ張りコースに留まっていたパワーが50周目に最後のピットイン。佐藤琢磨のすぐ目の前でコースに復帰した。佐藤琢磨はタイヤに熱の入っていないパワーに襲い掛かったが、逆に後続のハンターレイとロッシにやられてしまい、7番手にポジションを落とした。
55周目には、ヒンチクリフがマシントラブルでコース上にストップしたため4回目のフルコースイエロー。残り10周でグリーンフラッグを迎えると同時に、佐藤琢磨はターン3でロッシに仕掛けるも軽く接触。スローパンクチャーを抱え、大きくペースを落とし緊急ピットインを強いられた。
タイヤ交換を終えてコースに復帰すると最後尾16番手にまで後退。手にしかけた3戦連続3位の夢は潰えた。65周目には、フェリックス・ローゼンクビストが単独クラッシュ。赤旗中断となり、チェッカーまでの超スプリントレースの火蓋が切って落とされる事となった。
レースは2周のコーションラップを挟んで残り3周でグリーンフラッグ。スタートダッシュを決めたディクソンがエリクソンを抑えてトップチェッカーを受けた。佐藤琢磨はマックス・チルトンとエド・ジョーンズを交わし13位でフィニッシュした。
Pos. | Start | Driver | Gap |
---|---|---|---|
1 | 6 | スコット・ディクソン Chip Ganassi |
–.—- |
2 | 12 | マーカス・エリクソン Schmidt Peterson |
1.9419 |
3 | 11 | ウィル・パワー Team Penske |
3.657 |
4 | 15 | ライアン・ハンター=レイ Andretti |
4.5238 |
5 | 2 | アレキサンダー・ロッシ Andretti |
5.1877 |
6 | 19 | マルコ・アンドレッティ Andretti |
6.633 |
7 | 22 | グラハム・レイホール Rahal |
7.1404 |
8 | 3 | ザック・ビーチ Andretti |
8.0411 |
9 | 9 | セバスチャン・ブルデー Dale Coyne |
8.7886 |
10 | 17 | サンティノ・フェルッチ Dale Coyne |
9.4809 |
11 | 8 | パトリシオ・オワード Carlin |
9.8997 |
12 | 4 | コルトン・ハータ Harding Steinbrenner |
11.8528 |
13 | 16 | 佐藤琢磨 Rahal |
13.55 |
14 | 13 | エド・ジョーンズ Ed Carpenter |
14.6489 |
15 | 20 | マックス・チルトン Carlin |
14.781 |
16 | 7 | フェリックス・ローゼンクビスト Chip Ganassi |
6 lap |
17 | 14 | シモン・パジェノー Team Penske |
12 lap |
18 | 5 | ジェームズ・ヒンチクリフ Schmidt Peterson |
18 lap |
19 | 1 | ジョセフ・ニューガーデン Team Penske |
21 lap |
20 | 21 | マテウス・レイスト AJ Foyt |
47 lap |
21 | 10 | スペンサー・ピゴット Ed Carpenter |
57 lap |
22 | 18 | トニー・カナーン AJ Foyt |
70 lap |
2019年シーズンのインディカー・シリーズは、例年通りCS放送のGAORA SPORTSで生放送される。視聴にはスカパーやひかりTVとの契約が必要となる。