マクラーレン、2020年のインディカーフル参戦の可能性は絶望的
マクラーレンのザク・ブラウン最高経営責任者は、2020年シーズンの米インディカー・シリーズへのフル参戦の可能性について「高い確率でないありそうもない」と語り、事実上断念した事を仄めかした。
ブラウンCEOはRACERとのインタビューの中で、自身はインディカー・シリーズの熱狂的なファンだとした上で、「来年はIndyCarにフルタイムで参戦することはまずありえないだろう」と語った。その理由としてブラウンは、先日のインディ500予選での敗退が影響している事を認めた。
当初マクラーレンは、第103回インディアナポリス500マイルレースのみならず、今季インディカー・シリーズへのフル参戦を計画していたものの白紙撤回。単独エントリーという形で、世界三大レース全制覇を目論むフェルナンド・アロンソと共に、インディ500へのみスポット参戦する事となった。
F1ワールドチャンピオンにして、既にF1モナコGPとル・マン24時間レースの2冠を達成しているアロンソが、2017年以来に再びインディアナポリスにカムバックする事もあり、マクラーレンは大きな注目を集めていたが、テスト段階から信頼性に問題を抱え、一連のプラクティスもトラブルやクラッシュで台無しに。パパイヤオレンジに塗られた66号車は競争力を欠き、予選敗退の苦汁をなめた。
「我々がF1で置かれている立場や、インディでの経験を踏まえると、次のステップとしては(シリーズに)完全に飛び込のではなく、もう一度インディに挑戦して上手くやり遂げられる事を確認したいと思っている。したがって、2020年のインディカー・シリーズにフルタイム参戦する可能性は非常に低いと考えている」
とは言え、来年もまたスポット参戦に徹する事になれば経験不足の穴を埋めることは難しい。そのためブラウンCEOは、来年のインディ500前に行われるシリーズ戦の幾つかにスポット参戦することを議論していると語り、マシンのセットアップやオペレーションといった点で練習を積む計画が進んでいる事を明らかにした。
スポーティング・ディレクターのジル・ド・フェランは、予選後のプレスカンファレンスでインディ500への再挑戦に向けた熱意を語ったが、隣に座っていたアロンソは「現時点で約束するのは難しい」と明言を避けており、仮にマクラーレンが来年の第104回大会に参戦するとしても、アロンソがそのコックピットに座るかどうかは不透明だ。