フェラーリ、ベッテルとルクレールの2台揃って受け入れ難い周回遅れ「非常に辛い」
F1第3戦ハンガリーGP決勝レースに挑んだスクーデリア・フェラーリは、セバスチャン・ベッテルが6位入賞を果たした一方、シャルル・ルクレールはポイント圏外の11位という結果に終わった。
3列目の5・6番グリッドからスタートした跳馬の2台。急速にドライへと変化する路面コンディションに対応すべく、まずはルクレールが2周目にソフトコンパウンドに履き替え、4番手を走行していたベッテルはその翌周にピットへと向かった。
難なくミディアムタイヤに履き替えたベッテルだが、コースへ戻ろうとしたものの、他車が続々とピットインしてきたため中々ピットアウトできず7秒を失い、コースに復帰した時には8番手にまで転落していた。
諦めずに徐々に巻き返していったベッテルは31周目に再びピットイン。ハードタイヤに履き替えた。その後は44周目に5番手にまで挽回したが、5周分フレッシュなタイヤを履いたアレックス・アルボン(レッドブル・ホンダ)に残り5周でオーバーテイクを許した。
ルクレールはソフトタイヤのグレイニングに耐え切れずに21周目にピットイン。15番手にまでポジションを落とした後、力ないペースのままにハードタイヤで49周を走り11位でフィニッシュした。2台共、優勝を飾ったルイス・ハミルトン(メルセデス)に周回遅れにされる結末を迎えた。
Pos | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
---|---|---|---|---|---|
5 | アルボン | レッドブル | 70 | +78.316s | 10 |
6 | ベッテル | フェラーリ | 69 | +1 lap | 8 |
7 | ペレス | レーシングポイント | 69 | +1 lap | 6 |
11 | ルクレール | フェラーリ | 69 | +1 lap | 0 |
「この結果は受け入れ難く、周回遅れにされた事は我々にとってもファンにとっても非常に辛い事だ」失望の日曜を振り返ったマッティア・ビノット代表はこの様に語った。
「長旅を終えて帰国へと向かう今、我々はあらゆる分野でできる限りの改善をしなければならない。誰もが自分の仕事を見直して、必要に応じて方針を変える勇気を持たなければならないだろう。現状を受け入れる事はできない。この状況を解決するには他に方法はない」
開幕3レースを終えてメルセデスが12ポイントでコンストラクターランキングをリードする一方、厳しいスタートを切ったフェラーリは僅か27ポイントの5位に留まっている。
フェラーリ:F1ハンガリーGP決勝
セバスチャン・ベッテル決勝: 6位, グリッド: 5番手
初戦のオーストリアに比べれば、良いパフォーマンスだったと思う。でも、もしギャンブルに打って出て4周目じゃなくて3周目にドライタイヤに履き替えていたとしたら、レース序盤にもう少し上手くやれたかもしれない。というのも(3周目のピットでは)ピットレーンに続々とマシンが入ってくるから中々ピットアウトできず、かなりのタイムを失ってしまったんだ。まぁそうは言っても5位か6位が精一杯だっただろうけどね。
もっとやり合いたいとは思っていたんだけど、レース終盤はタイヤに苦戦していたからアレックス(アルボン)を抑え切る事はできなかった。今はまだ望んでいるような位置にいないけど、少なくとも今日はできる限りの事をやれたと思う。
シャルル・ルクレール決勝: 11位, グリッド: 6番手
非常に複雑なレースだった。マシンには何も変更を加えてないから何が起きたのかは良く分からないけど、予想以上に良いフィーリングだった金曜日や土曜日と比べてバランスが悪く、ドライブするのが凄く難しかったんだ。とても同じクルマとは思えない位だった。
今日は本当に手こずってしまったから詳しく原因を調べて問題を理解しなきゃならない。周りの連中よりも少し早めにピットストップしてソフトタイヤに履き替えたのが少し楽観的過ぎたのかもしれない。
何周かは速く走れていたけど、ドライラインが1本しかなかったからオーバーテイクはできなかったし、タイミング的には正しい判断だったと思うけど、今思えばソフトはベストな選択じゃなかったと思う。
その後はただただ遅かった。まだまだ課題は山積だね。
7月19日(日)にハンガロリンクで行われた2020年F1第3戦ハンガリーグランプリ決勝レースでは、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が支配的な速さでポール・トゥ・ウインを飾り通算86勝目を上げた。2位はレコノサンスラップのクラッシュから蘇ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。3位表彰台にはバルテリ・ボッタス(メルセデス)が滑り込んだ。