日産e.dams、フォーミュラE開幕戦で2台揃って入賞

日産、フォーミュラEデビュー戦でダブル入賞も「”アタックモード”を活用出来ず順位を落とした」とブエミ

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日本の自動車メーカーとして初めて、電気自動車レース「ABB FIAフォーミュラE選手権」への参戦を果たした日産は、サウジアラビアで開催を迎えた開幕戦で、セバスチャン・ブエミが6位、オリバー・ローランドが7位でフィニッシュした。デビュー戦でのダブル入賞によって計14ポイントを獲得。日産e.damsチームはいきなりチームランキング4位につけた。

「今日のレースには満足している」とジャンポール・ドリオ監督。初陣でのダブル入賞に満足感を示した。「セバスチャンとオリバーはともに素晴らしいパフォーマンスを示してくれた。その結果2台のマシンがポイントを獲得した。我々は今後のレースに向かってクルマの開発を進めていく」

2018/19フォーミュラE開幕決勝レースの様子
© LAT/Formula E

レース当日の15日現地は大雨。練習セッションは中止となり、公式予選も形式変更の上行われる事となった。通常は4グループに分かれて予選を実施し、その後”スーパーポール”セッションが行われるが、今回は22台のマシンを2グループに分けてのセッションとなった。

今シーズンは、レース中に”アクティベーション・ゾーン”を走行する事で、出力を200KWから225kWへと高めることができる「アタックモード」が登場。オーバーテイクの増加とエキサイティングなレースが期待されたが、レースを終えたブエミは、アタックモードを上手く使いこなせず、かえってポジションを落とたと語る。ブエミは予選3番手から順位を落とし6位でチェッカーを受けた。

「素晴らしいスタートを決めて最初のコーナーで2位に上がったものの、最終的に6位でフィニッシュすることとなり悔しい。アタックモードは起動時に少しタイムをロスしてしまうが、その代わり大幅なパワーを得ることができる。でも僕らは適切なタイミングで活用できず、かえってポジションを落としてしまった」

「雨の後だったこともあってグリップがあまりなく、難しいレースだったけど、次戦のマラケシュ大会に向けて、できる限り改善させ、準備を進めていきたい」

ブエミとは対照的に、ローランドは予選14番手から7ポジションアップ。トロロッソ・ホンダでのF1デビューが決定したアレックス・アルボンに代わって、シーズン開幕直前にチームに合流するという難しい状況ながらも、見事な走りを見せた。

「スタートはすごく混沌としていたけど、レース終盤のペースは十分だったし、7位でフィニッシュできてうれしいよ」とローランド。「シミュレーターで準備を重ねてきたけど、実際のレースでは毎周のようにバトルがあり、ライバルから常に激しく攻められる事になる。もう少しレースを戦えば慣れてくるだろうし、より速く走るために細かい点にも集中できるようになると思う。天候が悪く何が起こるか予想できないレースだったけど、チーム全体が素晴らしい仕事をしてくれた」

シーズン5では新型シャシーやバッテリー、新しいエアロダイナミクスを採用した”Gen2″と呼ばれる第二世代マシンがデビュー。航続距離は大幅に増加し、これまでのようなレース中の車両乗り換えが不要となった。フォーミュラEの第2戦は、2019年1月12日にモロッコのマラケシュで開催される。