フェラーリのF1チーム代表を務めるフレデリック・バスール、2023年2月14日フィオラノ・サーキットにて
Courtesy Of Ferrari S.p.A.

バスール新体制のフェラーリ、F1戦略部門トップを交代…2023年に向けて

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フレデリック・バスール新体制のスクーデリア・フェラーリは数々の失策を繰り返した昨シーズンを経て、2023年に向けて戦略チームを再編。イニャキ・ルエダに代えてラヴィン・ジェインをレース戦略部門のトップに任命する。

英「Autosport」によると、競技部門の責任者でもあるルエダはピットウォールから去り、今後はファクトリーで後方支援に取り組む見通しだ。

英国でモータースポーツの修士課程を修了したルエダはマクラーレン・エレクトロニクス、ミッドランド、ルノーを経て2015年にチーフ・ストラテジストとしてスクーデリアに移籍。2021年にはスポーティング・ディレクターに任命された。

バスールはチーム合流当初、早い段階で人事やチーム構造を変更するのは「傲慢」だとする一方、2023年シーズンの開幕に向けて何らかの手を打つ事を仄めかしていた。

相次いだ昨年の戦略ミスについては今年初め「決断の問題なのか、組織の問題なのか、コミュニケーションの問題なのか」を正確に理解する事が重要であるとした上で、特定の人物が問題であることは稀であり、「コミュニケーションや関わる人の数が最大の問題である事がしばしばだ」と指摘していた。

ジェインはオックスフォード大学で物理学の学位と数理・理論物理学の修士課程を修めた人物で、データサイエンスに基づく戦略策定を強みとしている。

大学修了後はケータハムF1チームでデータ処理・解析を担当。2014年にはウィリアムズ・マルティーニ・レーシングでソフトウェア設計と戦略の役割を担い、2015年にスクーデリアに移籍すると、そのキャリアを通して戦略に携わり、2017年よりレースストラテジー・エンジニアを務めている。