スクーデリア・フェラーリの新チーム代表に就任したフレデリック・バスール、2023年1月26日フィオラノ・サーキットでのF1プライベートテストにて
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目標は「タイトル以外あり得ない」とフェラーリ新指揮官、No1ドライバーや噂の30馬力増エンジンを語る

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スクーデリア・フェラーリの新たなチーム代表に就任したフレデリック・バスールは2023年シーズンの目標について「タイトル以外にあり得ない」と述べ、前任のマッティア・ビノットとは対照的に野心をのぞかせた。

フェラーリは1950年のF1世界選手権創設以来、全てのシーズンに参戦し続けている唯一のチームであると同時に最も多くの成功を収めてきたチームだが、2008年のコンストラクターズタイトル以来、選手権で破れ続けている。

BBCによると、過去10年で5人目のチームプリンシパルとして今年1月9日にアルファロメオから移籍してきたバスールは就任後初の記者会見に応じ、「トップチームである以上、勝ち取ること以外の目標はあり得ないと思う」と語った。

「『2位でいいや』ではシーズンを始められない。それは野心に欠ける。我々には素晴らしい仕事をするために必要な全ての要素が揃っていると思う。目標は間違いなく、タイトルの獲得でなければならない」

バスールとは対照的にビノットは、チャンピオンシップに勝つためには改善が必要だと繰り返し訴え続ける消極的、あるいは慎重なスタンスを崩さなかった。

昨年のフェラーリはグリッド最速のマシンを作り上げ力強いスタートを切ったものの、戦略やドライバーのミス、エンジンの信頼性不足、そして車体開発の早期終了などの要因によってシーズンを経る事に競争力を失っていき、最終的には大差でレッドブル破れ2位に甘んじた。

特に批判が集中したのは戦略ミスだが、バスールは改善が必要だと認めつつも「昨年のミスの一つひとつに何があったのか、それが決断の問題なのか、組織の問題なのか、コミュニケーションの問題なのか、正確に理解しようとしている」と述べ、まずは問題を特定する事が先決だと指摘した。

また、戦略に関しては特定の人物が問題であることは稀で、「コミュニケーションや関わる人の数が最大の問題である事がしばしばだ」と付け加えた。

就任してわずか2週間で組織体制を変更したり、長年に渡ってそのチームに根付いている文化を変えようとしたりするのは懸命な指揮官とは言い難い。

昨年のフェラーリ「F1-75」は信頼性不足が仇となり、7月以降はエンジン出力を抑えての運用を余儀なくされた。そんな背景もあり、信頼性の向上によって今季型のエンジンは30馬力の向上を達成しているとの複数の報道が出ているが、バスールは「単なる冗談」だと一蹴した。

そして「我々は幾つかのステップアップを果たしたが、それは信頼性に関わる問題に関してだ」と付け加えた。

なおシャルル・ルクレールとカルロス・サインツのどちらをナンバー1ドライバーとするかについては、まずは対等な立場でシーズンをスタートさせ、その必要が生じた場合に「行動を起こす」と説明した。

コードネーム675の名前で開発が進められている2023年型マシンの名称が明らかにされる事はなかったが、2月14日のバレンタインデーで公開されるのは実車となる見通しで、翌日にはフィルミングデーを利用したシェイクダウンが行われる。