ホンダ、28年ぶりにインテルラゴスを制す!フェルスタッペンがPP / F1ブラジルGP《予選》結果とダイジェスト
2019年FIA F1世界選手権 第20戦ブラジルGPの公式予選が、11月16日にインテルラゴス・サーキットで行われ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが1分7秒508を記録。キャリア通算2度目のポールポジションを獲得した。
インテルラゴスは過去5年に渡ってメルセデスがポールを独占。レッドブルを含め誰もが太刀打ちできずにいたが、ホンダパワーを駆るフェルスタッペンは予選全てのセッションで全体ベストを刻み、本来であれば第18戦メキシコGPで手にしていたはずの2度目のポールを掴んだ。エルマノス・ロドリゲスでの予選では、最速を刻んだものの黄旗無視のためにグリッド降格を受け、幻のポールと消えた。
ホンダがブラジル・インテルラゴスでポールポジションを手にするのは、第一期マクラーレン・ホンダ時代の1991年以来28年ぶり。アイルトン・セナが1分16秒392を記録して、リカルド・パトレーゼをコンマ3秒退け、ポールを獲得した時以来の快挙となった。決勝での優勝による完全制覇に期待がかかる。
2番手はスクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテル。フェルスタッペンには0.123秒届かなかった。3番手はメルセデスAMGのルイス・ハミルトン。9戦連続でポールから遠ざかる事となり、メルセデス移籍以来の最長記録を更新した。エンジン交換に伴う10グリッド降格が決まっているシャルル・ルクレールは4番手だった。
フェルスタッペン以外のホンダエンジン勢は、アレックス・アルボンがチームメイトから0.427秒遅れの6番手。スクーデリア・トロロッソ勢は、ピエール・ガスリーがミッドフィールド最上位となる7番手タイムを記録。大量ポイント獲得に向けて、絶好の位置を確保した。ダニール・クビアトは16番手でQ1敗退に終わった。
正午から行われた直前のFP3は日差しに恵まれたものの、予選開始時刻の現地15時サンパウロ上空には一面に薄暗い雲が垂れ込め、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温21.3℃、路面38.5℃、湿度67.2%のドライコンディションでスタート。Q2終盤以降は気温・路面共に急速に低下し、路面温度は最終的に30℃程度にまで下がった。
公式タイヤサプライヤーのピレリは、ブリスターが多発した昨年の結果を踏まえて、最も硬いレンジのC1からC3コンパウンドを投入。Q3進出者に追加提供されるコンパウンドは、C3=ソフトタイヤが指定された。
予選Q1:サインツ、トラブルに泣く
全20台で争われる予選第一ラウンドのQ1では、カルロス・サインツ(マクラーレン)がアタックラップ中、ターン13を通過した所でアクセルオフ。「エンジンの何かが逝った!」と訴え、そのままガレージへと戻り、ノータイム最下位に終わった。
トロロッソ・ホンダ勢は、ガスリーが9番手でQ2へと駒を進めた一方で、クビアトは16番手でノックアウト。15番手でQ1突破を果たしたセルジオ・ペレス(レーシングポイント)に対し、僅かに1000分の32秒届かず涙をのんだ。
トップタイム通過はフェルスタッペン。最小3ラップの走行だけで見事に決めてみせた。
ノックアウト
- 16位: ダニール・クビアト
- 17位: ランス・ストロール
- 18位: ジョージ・ラッセル
- 19位: ロバート・クビサ
- 20位: カルロス・サインツ
予選Q2:黄旗に妨害されたラストアタック
5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2では、グリッド降格が確定しているルクレールを除いてミディアムタイヤを投じたマシンはなく、全車ソフトタイヤでタイムを計測。フェルスタッペンがQ1に引き続き、最速でQ3へと駒を進めた。
2セット目を投じてのラストアタックの最中に、アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)がセクター2でスピン。イエローフラッグが出たために、ノックアウトゾーンに沈んでいた全車が自己ベストを更新できず、1セット目のタイムの並びのままに敗退を喫した。
ハース勢は、ロマン・グロージャンが7番手、ケビン・マグヌッセンが9番手タイムをマークし、5月のスペインGP以来となる久しぶりのダブルQ3進出を果たした。
ノックアウト
- 11位: ランド・ノリス
- 12位: ダニエル・リカルド
- 13位: アントニオ・ジョビナッツィ
- 14位: ニコ・ヒュルケンベルグ
- 15位: セルジオ・ペレス
予選Q3:跳馬力尽きフェルスタッペンがPP
トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3では、グロージャン、ガスリー、ライコネンの3名が中古のソフトタイヤを履いて一回目のタイムを計測。1セット目のアタックを終えて、フェルスタッペンがトップタイム。ミスを喫しながらも、ベッテルを1000分の8秒を抑えて暫定ボールにつけた。
運命を決めるラストアタックでは、レッドブル・ホンダの2台が先陣を切ってコースイン。アルボンのスリップストリームによる後押しを受けて、フェルスタッペンが自己ベストを更新してポールポジションを獲得した。フェラーリ勢はタイム更新ならず、ルイス・ハミルトンがルクレールを交わして3番手を獲得した。
F1ブラジルグランプリ決勝レースは、日本時間11月17日(日)26時10分にスタート。1周4,309mのインテルラゴス・サーキットを71周する事でチャンピオンシップを争う。
2019年F1第20戦ブラジルGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:08.242 | 1:07.503 | 1:07.508 | 12 |
2 | 5 | ベッテル | フェラーリ | 1:08.556 | 1:08.050 | 1:07.631 | 15 |
3 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:08.614 | 1:08.088 | 1:07.699 | 16 |
4 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:08.496 | 1:07.888 | 1:07.728 | 20 |
5 | 77 | ボッタス | メルセデス | 1:08.545 | 1:08.232 | 1:07.874 | 17 |
6 | 23 | アルボン | レッドブル | 1:08.503 | 1:08.117 | 1:07.935 | 14 |
7 | 10 | ガスリー | トロロッソ | 1:08.909 | 1:08.770 | 1:08.837 | 22 |
8 | 8 | グロージャン | ハース | 1:09.197 | 1:08.705 | 1:08.854 | 16 |
9 | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 1:09.276 | 1:08.858 | 1:08.984 | 20 |
10 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:08.875 | 1:08.803 | 1:09.037 | 15 |
11 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:08.891 | 1:08.868 | 13 | |
12 | 3 | リカルド | ルノー | 1:09.086 | 1:08.903 | 12 | |
13 | 99 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 1:09.175 | 1:08.919 | 14 | |
14 | 27 | ヒュルケンベルグ | ルノー | 1:09.050 | 1:08.921 | 12 | |
15 | 11 | ペレス | レーシングポイント | 1:09.288 | 1:09.035 | 14 | |
16 | 26 | クビアト | トロロッソ | 1:09.320 | 10 | ||
17 | 18 | ストロール | レーシングポイント | 1:09.536 | 9 | ||
18 | 63 | ラッセル | ウィリアムズ | 1:10.126 | 9 | ||
19 | 88 | クビサ | ウィリアムズ | 1:10.614 | 9 | ||
RT | 55 | サインツ | マクラーレン | 2 |
コンディション
天気 | 曇り |
---|---|
気温 | 21.3℃ |
路面温度 | 38.5℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1ブラジルGP |
---|---|
セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | インテルラゴス・サーキット |
---|---|
設立 | 1936年 |
全長 | 4309m |
コーナー数 | 15 |
周回方向 | 反時計回り |