レッドブル・ホンダ、期待出来るか?最速まで0.1秒切りの3番手発進 / F1ベルギーGP《FP1》結果とダイジェスト
モンツァ、ムジェロへと続く高速3連戦の初戦となる2020年F1世界選手権第7戦ベルギーGPが、8月28日にスパ・フランコルシャンで開幕を迎え、日本時間18時から金曜1回目のフリー走行が行われた。ベルギーGPは今年65回目の開催を迎える。
グランプリ一発目のセッションを制したのは、この日31歳の誕生日を迎えたメルセデスのバルテリ・ボッタスで、1分44秒493のトップタイムを記録した。2番手には1000秒69秒遅れでランキング首位の僚友ルイス・ハミルトンが続いた。
レッドブル・ホンダは好調なペースで週末をスタートさせた。
マックス・フェルスタッペンはハミルトンから1000分の12秒落ちの3番手タイムを記録。105秒という非常に長いサーキットながらも、メルセデス勢に対するギャップをコンマ1秒以内に収めるスピードを披露した。フェルスタッペンは週末に際して「本命ではない」と言いつつも「苦戦」の二文字を口にしてはいない。
もう一台のR16を駆ったアレックス・アルボンは6番手につけた。フェルスタッペンとのタイム差は0.475秒と、ギャップは過去6戦と比べて明らかに小さく、一歩前進した印象を伺わせる。アルボンの前にはレーシングポイントの2台が陣取った。
© Getty Images / Red Bull Content Pool
かの有名な”オー・ルージュ”擁するスパ・フランコルシャンはカレンダー最長となる1周7,004mで、平均240km/hを誇るF1随一の超高速サーキットとして知られる。オーバーテイクが容易と見なされているが、2007年の再改修以来、フロントロー以外からのウィナーは2009年に6番グリッドからスタートしたキミ・ライコネンと、2014年に5番グリッドから優勝したダニエル・リカルドの2名しかいない。母親がベルギー出身という意味で、マックス・フェルスタッペン、ランド・ノリス、ランス・ストロールにとっては第二の母国レースでもある。
週末は雨予報が出ており、金曜午前の現地スパ上空には雲が広がっていたものの、セッションは気温16℃、路面温度21.4℃のドライコンディションでスタート。最後まで雨が降ることはなかった。公式タイヤサプライヤーのピレリは昨年よりも1段柔らかい中間レンジのC2からC4までの3種類のコンパウンドを持ち込んだ。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策の一環として、今季のF1ではパドックへ入場出来るチーム人員に制限を設けているが、ベルギーではホスピタリティスタッフの数が10名増員されモーターホームが復活。まだまだパンデミック収束の兆しはないが、パドックには見慣れた光景が少し戻ってきた。
2台共にトップ10に入れ込んだマクラーレン及びルノー勢との差はコンマ3秒近くあるが、アルファタウリ・ホンダ勢も悪くないスタートを切った。今季型「AT01」の扱いに苦戦し続けているダニール・クビアトは11番手と、僚友ピエール・ガスリーを1000分の56秒差で12番手に抑えた。
スピードトラップではルノーエンジン勢が上位に並んだ。10番手タイムのランド・ノリスが時速310.3kmでトップに立ち、これに時速308.2kmで7番手タイムのエステバン・オコンが続いた。
ハース勢は最悪の出だしを強いられた。インスタレーションラップに向かったロマン・グロージャンが「パワーがない」と訴えてガレージに帰還するや否や、ケビン・マグヌッセンも同様に問題を抱えたようで、2周を終えてピットに戻った。
チームは2台のパワーユニット交換が必要だとして、セッション終了をアナウンス。ギュンター・シュタイナー代表は、両者のトラブルが共にエンジン関連であった事を認めながらも、各々の原因は異なるものであったと説明した。チームとしては計4周の走行に留まった。
グロージャンは前戦スペインGPの際も同様にトラブルを抱えていた。FP3を前にカーフュー(深夜作業禁止令)を破ってのPU交換を強いられた結果、クルマのフィーリングが変わってしまい、予選・決勝とクルマに苦戦。悪しき流れが続いている。
同じくフェラーリ勢パワーユニットを搭載するアルファロメオのガレージにも問題が発生。アントニオ・ジョビナッツィもまた、2周を走行したのみでガレージへと戻った。メカニック達はギアボックス周りの作業に取り組んでいたようだが、トラブルの原因について現時点で正式発表はない。キミ・ライコネンは13番手と好調のスタートを切った。
本家フェラーリは母国レースを1週間後に控え、シャルル・ルクレールが14番手、セバスチャン・ベッテルが15番手とタイムシート後方に並んだ。
2020年F1第7戦ベルギーグランプリ2回目のフリー走行は、日本時間8月28日(金)22時から1時間半の日程で開催される。
2020年F1第7戦ベルギーGPフリー走行1(FP1)リザルト
Pos | No | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 77 | ボッタス | メルセデス | 1:44.493 | 18 | |
2 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:44.562 | +0.069 | 17 |
3 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:44.574 | +0.081 | 20 |
4 | 11 | ペレス | レーシングポイント | 1:44.629 | +0.136 | 22 |
5 | 18 | ストロール | レーシングポイント | 1:44.868 | +0.375 | 22 |
6 | 23 | アルボン | レッドブル | 1:45.049 | +0.556 | 22 |
7 | 31 | オコン | ルノー | 1:45.099 | +0.606 | 20 |
8 | 55 | サインツ | マクラーレン | 1:45.222 | +0.729 | 24 |
9 | 3 | リカルド | ルノー | 1:45.225 | +0.732 | 21 |
10 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:45.274 | +0.781 | 28 |
11 | 26 | クビアト | アルファタウリ | 1:45.447 | +0.954 | 25 |
12 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 1:45.503 | +1.010 | 17 |
13 | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 1:45.704 | +1.211 | 19 |
14 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:45.759 | +1.266 | 18 |
15 | 5 | ベッテル | フェラーリ | 1:46.179 | +1.686 | 15 |
16 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:46.488 | +1.995 | 19 |
17 | 63 | ラッセル | ウィリアムズ | 1:46.570 | +2.077 | 21 |
18 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1 | ||
19 | 8 | グロージャン | ハース | 2 | ||
20 | 99 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 2 |
コンディション
天気 | 晴れ |
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気温 | 16℃ |
路面温度 | 21.4℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1ベルギーGP |
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セッション種別 | フリー走行1 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | スパ・フランコルシャン |
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設立 | 1921年 |
全長 | 7004m |
コーナー数 | 19 |
周回方向 | 時計回り |