セルジオ・ペレス「これがスポーツの本質だ」9戦ぶりの最前列を経て語る”競技哲学”
7月27日のF1ベルギーGP公式予選で9戦ぶりの最前列グリッドを持ち帰ったセルジオ・ペレス(レッドブル)は、上手くいかない時もあると受け入れ、結果や外部の雑音に囚われすぎることなく、常に新しいチャンスを見据えて継続的に改善の努力を積み重ねることが自身の競技哲学だと強調した。
Q3のチェッカーが振られた時点では昇格のポールポジションかとも思われたが、最後の最後にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が自身も予想外の2番手をマーク。僚友マックス・フェルスタッペンがエンジン交換ペナルティを受けることから最前列2番グリッドを獲得した。
トップ3グリッドとしては5月のマイアミGP以来8戦ぶり、最前列としては4月の中国GP以来の好成績で、シート喪失が危ぶまれる状況下で2024年シーズン初の優勝に向けたチャンスを掴み取った。
自信が戻ってきた表れなのか?と問われたペレスは「自信というより、5、6レース前以降、運転の仕方を忘れてしまった、というわけではないということだ」と答えた。
「多くのドライバーがそうであるように、時にはクルマのポテンシャルを最大限に引き出せないことがある。それによって、自分のクルマを最大限に活かせるという自信が失われてしまうんだ」
ハンガロリンクでの前戦では予選Q1敗退を喫するも、レースでは16番グリッドから7位までポジションを上げた。
「ハンガリーGP以来、僕らは正しい方向に向けて大きく前進していると思う。シルバーストーンの段階でかなり良かったと思うし、今週末の金曜日は本当に良かった」とペレスは続ける。
「今のところ、クルマは正しい方向に向かっているし、明日は力強い結果で締め括りたいと思ってる」
今年6月に契約延長が合意されたにも関わらず、成績不振でコンストラクターズ選手権争いに貢献できていないペレスについてレッドブルは、サマーブレイク中に今後についての決定を下す方針を明らかにしている。
「今シーズンはまだ長い。だから兎に角、集中して、チームも僕もやるべきことに集中している。最終的には、できる限り多くのポイントを獲得することが重要だ。それ以外は正直、どうでもいい」とペレスは付け加えた。
結果としてはフロントロウに並ぶことになったものの、一歩間違えばQ2敗退の恐れもあった。他車より走行タイミングを1周、遅らせたことでペレスは危うくアレックス・アルボン(ウィリアムズ)に蹴落とされるところだった。両者のギャップは0.003秒に過ぎなかった。
しかしながら最前列であろうがQ2敗退であろうが、この日の結果を以てチーム内での自身の立場が変わるわけではないとペレスは主張する。
「僕からしてみれば何も変わらない。 いつも言っているように、大事なのは今どこにいるかではなく、波をどう乗り越え、アブダビを終えた時点でどこにいるかなんだ」とペレスは語る。
「最近、パフォーマンスを最大限に引き出せていないドライバーが多いのに、僕に対してばかり注目が集まっているのは明らかだ。僕の見解は変わらない。明日は新しい1日、新しいチャンスだと僕は思ってる」
「もしQ2で敗退したとしても状況は変わらない。明日はもっと良い結果を残すための新たなチャンス。それが僕の考えだ」
「本当に重要なのは明日だ。もし明日、良いレースができなかったら(次戦の)ザントフォールトで良いレースができるよう努力する」
「時には上手くいくこともあるし、時には戦わなければならないのに何も上手くいかないこともある。でも、それがスポーツの本質なのだと思う」
2024年F1ベルギーGP予選では10グリッド降格を受けるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が最速を刻み、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が昇格のポールポジションを獲得した。最前列2番グリッドにはセルジオ・ペレスが並ぶ。
決勝レースは日本時間7月8日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周7004mのスパ・フランコルシャンを44周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。