ルクレールのみならず…フェラーリにテストで露見せぬ問題「パニック」を避け対処とサインツ
F1開幕バーレーンGPでフェラーリSF-24をドライブしたカルロス・サインツもまた、僚友シャルル・ルクレールと同じようにメカニカルトラブルに見舞われ、「パニック」にならないよう努めながらの57周のレースを強いられた。
ルクレールは1周目から左右のフロントブレーキに温度差が生じるトラブルに見舞われ、ロックアップを頻発したことで2番グリッドながらも早々に5番手にまで後退。最終的にはジョージ・ラッセル(メルセデス)を交わして4位でフィニッシュしたものの、終始、クルマと格闘しながらのレースを余儀なくされた。
サインツはセルジオ・ペレス(レッドブル)と遜色ないペースを刻んで3位表彰台に上がったが、決して順風満帆のレースではなく、オーバーヒートによってペダルを踏んだ際にブレーキの反応が遅れたり、ペダルを通常より深く踏み込まないと十分に減速しなかったりといった症状に見舞われていた。
「第1スティントと第2スティントの序盤は、トラフィックに巻き込まれるたびにブレーキの振動が激しくなって、ある時点でペダルが長くなり始めたんだ」とサインツは説明する。
「だから、ダーティーエアを避けてオーバーテイクを狙うか、それともブレーキが故障したりする可能性を踏まえてセーブし始めるか、常にバランスを取る必要があった」
「ストレートで少し(前走車両の真後ろではなく脇に)動くことで、オーバーヒートしている方を冷やし始めたら、バイブレーションも収まってきて、その後はポジションを上げていけるようになった」
「でもさっきも言ったように序盤は良くなかった。ブレーキが少しボトルネックでね。収まった後は自分のペースで走ってオーバーテイクができるようになり、表彰台を狙えるようになった」
「シャルルの方のトラブルがどの程度、深刻だったのかは分からないけど、僕の方も一時はかなり酷かった」
多少のコンディションの違いはあるものの、同じバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われた先週のテストを通して発見、または予見できなかったのだろうか?
「テストじゃ発見できないよ。だって10周連続で4台のクルマの後ろについて、その熱風を受けながら走ることはないからね」とサインツは説明する。
「パニックにならないように頑張った。より加熱している側を優先して冷やすために、ストレートで違うラインを走ったんだ」
「ある時点でペダルがかなり長くなって振動も酷くなり、ブレーキングのフィーリングがかなり変わってしまったんだけど、冷静に対処した」
「少しばかりクリーンエアーを受けるとすぐに良くなってね。だいぶ改善したんだ」
1週間後には第2戦サウジアラビアGPが控えている。サインツは今後数戦に向けて、少し余裕を持った冷却パッケージを採用する必要があると付け加えた。