バクー市街地コースのターン15を駆け抜けるレッドブルRB19、2023年4月28日F1アゼルバイジャンGP
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2023年F1アゼルバイジャン FP1レポート:接触、炎上とカオス展開…フェルスタッペン最速!角田裕毅はスピンで損傷

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4週間に渡る長期のオフを経て、シーズン4戦目となる2023年F1世界選手権アゼルバイジャンGPが4月28日に開幕を迎え、日本時間18時30分よりFP1が行われた。壁との接触、相次ぐメカニカルトラブルと、週末唯一のプラクティスは混沌とした展開となった。

グランプリ一発目のセッションを制したのはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。昨年に続く2連覇に向けて1分42秒315のトップタイムを記録し、シャルル・ルクレール(フェラーリ)を1000分の37秒差で2番手に退けた。角田裕毅(アルファタウリ)は14番手という結果だった。

バクー市街地コースを周回するマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2023年4月28日F1アゼルバイジャン FP1Courtesy Of Red Bull Content Pool

バクー市街地コースを周回するマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2023年4月28日F1アゼルバイジャン FP1

金曜午後一のバクー市街地コースは晴天に恵まれ、オープニングセッションは気温21℃、路面温度45℃のドライコンディションでスタートした。公式タイヤサプライヤーのピレリは最も柔らかいレンジのC3からC5までの3種類のコンパウンドを持ち込んだ。

この60分間のセッションはチームとドライバーに許された今週末唯一のプラクティスであり、この後に続く予選以降、クルマの変更が許されないという点で決定的に重要だが、赤旗が振られるなど走行時間は更に限られる事となった。

開始7分、カルロス・サインツ(フェラーリ)がターン5で左フロントを激しく壁に当てた。幸いにもダメージは免れ、3番手を刻んだセルジオ・ペレス(レッドブル)に続く4番手タイムをマークした。

ただ、その3分後にターン3でスピンを喫して壁に当たった角田裕毅は貴重なソフトタイヤを破損。修復と調査のために走行時間を失った。一方で、フォーミュラE参戦を通して誰より豊富なストリートサーキット経験を持つ僚友ニック・デ・フリースは6番手と、期待の持てる滑り出しを見せた。

右リアを破損した角田裕毅(アルファタウリ)、2023年4月28日F1アゼルバイジャンGPフリー走行1copyright FORMULA 1

右リアを破損した角田裕毅(アルファタウリ)、2023年4月28日F1アゼルバイジャンGPフリー走行1

新型フロアを含む大量のアップデートを持ち込んだアルピーヌは、ほぼ1セッションをまるまる失う最悪の事態となった。

7周を走行したところでピエール・ガスリー駆る10号車のリアから出火。残り46分で赤旗が振られた。セッションは13分間に渡って中断された。原因についてチームは「油圧が失われた」と説明した。

チームは同様のトラブルの発生を懸念。もう1台のA523、31号車の調査に取り組んだ。結果、チームメイトのエステバン・オコンもチェッカーを前に降りた。周回数は2台合わせて僅か15周に留まった。

油圧漏れにより出火し、消化器で泡だらけにされたピエール・ガスリーのアルピーヌA523、2023年4月28日F1アゼルバイジャンGPフリー走行1copyright FORMULA 1

油圧漏れにより出火し、消化器で泡だらけにされたピエール・ガスリーのアルピーヌA523、2023年4月28日F1アゼルバイジャンGPフリー走行1

赤旗の直前、ケビン・マグヌッセン(ハース)がターン1でストップした。チーム代表のギュンター・シュタイナーは「分からないが、燃圧を失ったようだ」と説明した。こちらも8周の走行に留まった。

またローガン・サージェント(ウィリアムズ)はタイヤをロックアップさせフロントウイングを破損。僚友アレックス・アルボンが9番手と好調な走りを見せた一方、16番手と下位に沈んだ。

序盤にブレーキに苦戦していたメルセデス勢は、DRSトラブルを抱えて8番手を刻んだフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)とセッション喪失組の3台を除いて唯一、ソフトタイヤでタイムを計測しなかった。

この後は、日曜のグランプリレース向けの予選が日本時間4月28日(金)22時から1時間の日程で開催される。セッションの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

2023年F1第4戦アゼルバイジャンGPフリー走行1(FP1)リザルト

Pos No Driver Team Time Gap Laps
1 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 1:42.315 22
2 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:42.352 +0.037 21
3 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダRBPT 1:42.454 +0.139 22
4 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:42.899 +0.584 23
5 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:43.125 +0.810 22
6 21 ニック・デ・フリース アルファタウリ・ホンダRBPT 1:43.414 +1.099 24
7 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:43.455 +1.140 23
8 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 1:43.560 +1.245 20
9 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:43.628 +1.313 25
10 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:43.748 +1.433 23
11 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:43.798 +1.483 21
12 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 1:43.980 +1.665 23
13 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:44.010 +1.695 23
14 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダRBPT 1:44.137 +1.822 18
15 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 1:44.323 +2.008 21
16 2 ローガン・サージェント ウィリアムズ・メルセデス 1:44.900 +2.585 16
17 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:45.082 +2.767 20
18 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:45.955 +3.640 8
19 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 1:46.321 +4.006 7
20 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:47.498 +5.183 8

コンディション

天気晴れ
気温21℃
路面温度45℃

セッション概要

グランプリ名 F1アゼルバイジャンGP
セッション種別 フリー走行1
セッション開始日時

サーキット

名称 バクー市街地コース
設立 2016年
全長 6003m
コーナー数 20
周回方向 時計回り

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