2021年6月5日のF1アゼルバイジャンGP予選に向けて準備するアルファタウリ・ホンダの角田裕毅
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アルファタウリ、謝罪する角田裕毅に「これも経験」と寄り添う「非常に良いパフォーマンスを発揮してくれた」

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アルファタウリ・ホンダの角田裕毅は、6月5日(土)のF1アゼルバイジャンGP予選Q2で4番手タイムを刻み自身初のQ3進出を果たすと、最終ラウンドではフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)とバルテリ・ボッタス(メルセデス)を従える8番手タイムを記録した。

日本人ドライバーのF1予選Q3進出は2012年の小林可夢偉以来の事で、9年ぶりの快挙であったが、悔やまれる点もあった。

Q3での1回目のクイックラップを経て迎えた最終アタックで角田裕毅は、ターン3を曲がり切れずクラッシュを喫した。これにより、この日4度目の赤旗が振られる事となり、予選はそのまま終了。1回目の計測ラップがグリッドを決する形となった。

予選を終えて初のQ3進出について問われた角田裕毅は、気落ちした様子を見せながら「今日は本当に複雑な気分です」と苦笑いを浮かべた。

「ここアゼルバイジャンでは週末を通して上手く前進できていましたし、初めてQ3に進むことができました」

「もっと上のポジションを狙えるだけのポテンシャルがあったと思いますが、少しプッシュし過ぎてしまって、上手く結果に繋げる事ができませんでした」

かなりハードなクラッシュに見えたが、体とマシンは大丈夫か?と問われると、角田裕毅は「幸運にも僕の方は大丈夫です」と答えた後、「チームにはとにかく申し訳ない事をしてしまいました」と、すぐに謝罪の言葉を口にした。

バクー市街地コースはカレンダーの中で最もオーバーテイクが容易なサーキットの一つで、前回大会の2019年のレースでは計55回の追い抜きが記録されている。

角田裕毅は「モナコと比べてここはオーバーテイクがかなり楽ですし、いいタイヤ戦略があれば、レースでは僕たちに有利かもしれません」と、決勝での更なるポジションアップに意気込みを示した。

なお、チーフレースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズは、角田裕毅のクラッシュについて「これも経験」と述べ、F1での6回目の予選を終えたばかりの若き日本人ルーキーに寄り添った。

「ユーキは(Q3の)1回目のラップで8番手を刻んだものの、2回目のラップで少しハードに攻めすぎてタイヤをロックさせてしまい、衝撃を受けてフロント・サスペンションにダメージを負ってしまった」

「だがこれも経験だ。彼は週末を通して集中力を切らさずペースを積み上げていき、非常に良いパフォーマンスを発揮してくれていた」

「今夜は彼のマシンを修復する必要があるが、2台揃ってポイントが穫れるように、これと並行して両ドライバーの準備を進めていくつもりだ」

またピエール・ガスリーも「バクーは本当に超スーパー難しい。クラッシュしていたのは彼だけじゃない」と述べ、角田裕毅を擁護している。


計4度の赤旗による混沌のグリッド争いでは、シャルル・ルクレール(フェラーリ)がポールポジションを獲得。ルイス・ハミルトン(メルセデス)が2番手、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が3番手という結果となった。

2021年 F1アゼルバイジャングランプリ決勝レースは、日本時間6月6日(日)21時にスタート。1周6003mのバクー市街地コースを51周する事でチャンピオンシップを争う。

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