ホンダF1、今季初の4台Q3達成もポール逃す「赤旗でタイム更新の機会を失った事は少し悔しい」と田辺TD
6月5日のF1アゼルバイジャンGP公式予選は、アクシデントの多発により4度に渡って赤旗が振られる波乱のセッションとなったが、ホンダF1パワーユニット勢は今季初めて全4台がQ3進出を果たしてトップ8を確保した。
ポール争いのQ3では、1回目のアタックを終えてマックス・フェルスタッペンが3番手、セルジオ・ペレスが7番手タイムをマーク。計測のタイミングを他車とずらしたアルファタウリ勢は、先行して8番手を刻んだ角田裕毅のトウを追い風にガスリーが4番手につけた。
そして迎えた最終アタックでは、角田裕毅がターン3でクラッシュを喫した事でこの日4度目の赤旗が振られる事となり、そのまま予選は終了となった。この結果、1回目の計測ラップがグリッドを決する形となった。
レッドブル・ホンダRB16Bは週末を通して高い競争力を発揮し続けていただけに、最上位がフェルスタッペンの3番手に留まった事は悔やまれるところでもある。
ホンダF1の田辺豊治テクニカル・ディレクターは4台揃ってのQ3進出に一定の満足感を示す一方、赤旗によってポールへの挑戦権が奪われる事となったQ3最後の赤旗に悔しさを感じているようだ。
予選を振り返った田辺TDは「今日のアゼルバイジャンGPの予選は、すべてのセッションでクラッシュによる赤旗中断が発生するという難しい状況での戦いになりました」と語った。
「このような状況の中、ホンダ製F1パワーユニットを搭載する4台全てが今季初めてQ3に進出できた点は良かったと思います」
「これは両チームとともに、昨日の走行データの解析および本日のFP3を経て、更にセットアップを煮詰めていった成果だと考えています」
「ただ、角田選手のクラッシュにより振られたQ3最後の赤旗でセッションが終了し、フェルスタッペン選手、ペレス選手、ガスリー選手がタイムを更新できなかったことについては少しフラストレーションを感じています」
「とは言え、角田選手は初挑戦のバクーで初めてのQ3進出を果たすなど良い走りを見せているので、明日のレースにも期待したいと思います」
バクー市街地コースでのレースは例年、シーズンの中でも波乱となりがちで、前回大会の2019年のレースでは4台、2018年大会は6台がリタイヤを喫している。
田辺TDは「4台ともにマシンに速さがありますので、チームとともにきっちりと完走して、予選ポジションより上でフィニッシュすることを目指して準備を進めます」と述べる一方、レースも予選同様に荒れた展開になる可能性があるとして、接触や事故に巻き込まれないように細心の注意を払う必要があると気を引き締めた。
計4度の赤旗による混沌のグリッド争いでは、シャルル・ルクレール(フェラーリ)がポールポジションを獲得。ルイス・ハミルトン(メルセデス)が2番手、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が3番手という結果となった。
2021年 F1アゼルバイジャングランプリ決勝レースは、日本時間6月6日(日)21時にスタート。1周6003mのバクー市街地コースを51周する事でチャンピオンシップを争う。