初優勝を逃して落胆するシャルル・ルクレールを慰めるセバスチャン・ベッテル、F1オーストリアGP
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レッドブル・ホンダに先を越されたフェラーリ「本来なら2台揃っての表彰台だった」F1オーストリアGP《決勝》

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30日(日)に行われたF1第9戦オーストリアGP決勝を終えて、スクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレールとセバスチャン・ベッテルがレース内容と週末を振り返った。メルセデスが負けなしの8連勝を達成する中、シルバーアロー以外のチームとして今季初優勝を狙っていたフェラーリだが、その栄冠を手にしたのはレッドブル・ホンダだった。

ポールシッターのルクレールは、キャリア初優勝を目指してレースに挑み、終始ラップをリードしていたが、チェッカーフラッグを目前にして、同い年でジュニア時代からのライバルであるマックス・フェルスタッペンにトップの座を奪われ、2位フィニッシュに終わった。

フェルスタッペンとの攻防の際、両者はターン3で接触。一件はインシデントとして記録されレース後に審議が行われたが、スチュワードはお咎め無しの裁定を下し、フィニッシュ順でのリザルトが確定した。

レース直後はフェルスタッペンのドライビングを非難していたルクレールだが、裁定が下りると「チームとしてはガッカリだけど、僕らにこれ以上出来る事はない。マックスの勝利を祝福するよ」と、ライバルの健闘を讃えた。その一方でマッティア・ビノット代表は「今でも間違った判断だと考えている」と語り、スチュワードの裁定に疑問を呈した。

とは言えビノットは、裁定を覆すために異議申し立てを行う意志はないとし、結果を受けると表明。納得はしていないと強調しつつも、フェルスタッペンを褒め称えた。

「ドライバーに自由に戦わせるべきだ。結果それがF1をより良いものにする。だからこそ、フェルスタッペンには”ブラボー”と言いたい。彼はシャルルと同じようにファンタスティックなレースを見せてくれた」

他方ベッテルは、メカニカルトラブルが原因で予選Q3を走行できず9番グリッドからスタートしたものの、コース上でのオーバーテイクと戦略の妙によって4位にまで大きく挽回してみせた。

フェラーリ:F1オーストリアGP決勝

シャルル・ルクレール決勝: 2位, グリッド: 1番手

全体としては良い週末だったけど、残念ながら、望んでいたような形では終わらなかった。第一スティントはペースも良かったんだけど、ボッタスからポジションを守るために予定よりも早くピットインした結果、第2スティントが長引いてしまい、レース終盤はデグラデーションが酷くて、思っていたよりも厳しい状況に追い込まれてしまった。

望んでいたのは2位じゃないけど僕らは全力を尽くしたし、また一つ前に進めた点はポジティブだ。今後数レースで更に改善していくための第一歩になるって信じてる。

セバスチャン・ベッテル決勝: 4位, グリッド: 9番手

僕はいつもポジティブな人間だ。チームのおかげで今日のクルマは素晴らしく、これまでよりも良い週末を過ごせたと思う。数週間前のカナダみたいな感じかな。昨日の予選での出来事は残念だけど、今日は走っていて楽しかったし、レースでは終始全力でドライブできて、何度かホイール・トゥ・ホイールのバトルを楽めた。

シャルルは残念だったね。彼は今週末ずっと速さを示していたし素晴らしい仕事をしていた。全体としては満足してるけど、その反面不満がないわけじゃない。本来だったら2台揃って表彰台に上がれたはずだし、1台はその頂点に立てたはずだからね。

僕らのマシンに何が欠けてるかは分かってる。もっとダウンフォースが必要だ。オーストリアやカナダみたいなコースでは速さを発揮できるけど、それ以外のコースで強さを示すためには改善が必要だ。何をすべきかは分かってるけど、実際にやるのは簡単じゃないし、1日で終わるような事でもない。

マラネロの皆に感謝の気持ちを伝えたい。彼らはこの仕事に情熱を持っており、マシンを改善するために頑張ってくれている。今年のフェラーリには優勝出来るだけの十分な力が間違いなく備わっている。


レッドブル・リンクを70周することで争われた2019年の決勝レースでは、2番グリッドからスタートしたレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが通算6勝目を上げた。

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