アレックス・ザナルディ
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事故のアレックス・ザナルディ、昏睡から覚醒へ…鎮静剤の減量を開始

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シエナ大学病院は7月16日(木)、アレックス・ザナルディを昏睡状態から覚醒へと導く医学的なプロセスを開始した事を明らかにした。

元F1ドライバーにしてCARTチャンピオンでもあり、また、パラリンピック金メダリストでもあるザナルディは先月、ハンドバイクの競技中にトラックと衝突した事で頭部に深刻な外傷を負い、これまでに2度に渡る脳神経外科手術と頭蓋顔面再建術を受け、今も集中治療室で人工呼吸器に繋がれている。

3度目の手術から10日が経過した木曜の現地夕刻、シエナ大学病院は「2020年7月16日時点におけるアレックス・ザナルディの容態更新情報」と第したリリースを発行し、医学的な昏睡状態に置かれているザナルディへの鎮静剤の投与量を段階的に減らすプロセスを開始した事を明らかにした。

「家族との合意を経て、この数日で鎮静剤の段階的な減量を開始した。患者の更なる評価のためには数日を要する見通しだ。これは継続的なセラピー及びリハビリを可能にする事を目的としたものであり、アレックス・ザナルディのケアを担当する事になる様々な分野の専門家チームによって行われる」

「現在、心肺機能と代謝パラメータは安定しているものの、神経学的には依然として深刻であり、予後に関しては伏せられている。アレックス・ザナルディの健康状態に関するさらなる情報は家族との合意のもと、来週発表される予定だ」

ザナルディの執刀医を務めたジュゼッペ・オリヴィエーリ医師は以前、神経学的な状態を明確に判断するにはザナルディの覚醒が必要であり、昏睡状態では評価できないと説明している。プロセスに進展があった事は朗報だが、これを以て回復が期待できるわけではない。

ザナルディの出身国、イタリアを本拠とするスクーデリア・フェラーリは、7月5日に開催された開幕F1オーストリアGPにおいて、シャルル・ルクレールとセバスチャン・ベッテルが駆るSF1000に「#ForzaAlex」のメッセージを掲げて戦い、苦戦が予想される中でルクレールが見事2位表彰台を獲得した。