元F1ドライバーのアレックス・ザナルディ、2019年11月富士スピードウェイにてcopyright BMW

顔面粉砕…事故のザナルディ、医師が詳しい容態と今後の見通しを説明

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サンタマリア・アッレ・スコッテ病院の医師が、手術後のアレックス・ザナルディの詳しい容態と今後の治療方針・見通しについて説明した。それによるとバイタルは安定しているものの、最悪の事態もあり得る危険な状態である事に変わりはなく、また、視力にダメージがある可能性があるという。

元F1ドライバーにして1997年と1998年のCARTチャンピオンでもあり、また、パラリンピック金メダリストでもあるイタリア・ボローニャ出身の53歳は6月19日(金)の夜、ハンドバイクの競技中にトラックと衝突してヘリコプターで病院に搬送され、3時間に及ぶ脳神経外科手術を受けた後、人工呼吸器に繋がれ集中治療室で一夜を過ごした。

病院側はザナルディの容態について手術翌日の土曜午前10時に声明を発表し、血行動態と代謝パラメータは安定しているものの「神経学的には深刻」と説明。その後担当医師らによるブリーフィングが行われ、より詳しい状況が明らかにされた。

AP通信が伝えたところによると、ザナルディの執刀医を務めたジュゼッペ・オリヴィエーリ医師は病院に搬送されてきた時点でのザナルディについて「顔面は粉砕され、顔面頭蓋の損傷が激しく、前頭骨は深く折れていた」と説明し、「依然として状況は極めて深刻」とする一方で、手術は「計画通り」に行われ「数値は良好」だとした。

「深刻な状況」が意味するものについては「人が死に至りうる状況」だと補足し、回復には時間がかかる一方、事態の悪化は突然起こりうるとして、現時点では命に別状はないものの、予断を許さない状況である事を強調した。

脳へのダメージの程度について集中治療室長を務めるサビーノ・スコレッタ医師は「損傷という点では明らかに危機的な状況」だと説明。オリヴィエーリ医師は「覚醒するまでは神経学的な状態についての明確な判断は下せない。彼が目を覚ますという仮定での話だが」と述べた。ザナルディは現在、鎮静剤による人為的な昏睡状態に置かれている。

次のステップについてオリヴィエーリ医師は「今後10日間程度に渡って彼の容態を安定させる事が第一。上手くいって最終的に目覚める事になれば、その時に(容態を)再度評価する事になる」と説明した。

Sky Italiaがオリヴィエーリ医師の話として伝えたところによると、少なくとも今後48時間は人工的な昏睡状態に置かれる見通しとの事。ただし、いつ鎮静剤を止める事ができるかについて現時点で判断する事は難しいという。またザナルディは目にも怪我を負っており、視力に何らかの影響が出る可能性があるとも伝えた。