2018/19シーズンフォーミュラE選手権三亜ePrix
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F1中国GP 中止発表秒読みか…FIA、WHO緊急事態宣言を受けフォーミュラE 三亜ePrixの延期を決定

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国際自動車連盟(FIA)は2日、新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、3月21日に開催予定であったフォーミュラE選手権 三亜ePrixの延期を発表した。F1世界選手権第4戦として上海インターナショナル・サーキットで開催予定のF1中国GPの中止の可能性が高まっている。

フォーミュラEとFIA及び、中国自動車モーターサイクルスポーツ連盟(CAMF)と現地パートナーのEnovaホールディングスは、海南省及び三亜市の関連部局との協議を経て、2020年3月21日に予定されていた三亜市でのレースを中止することを共同決定した。

FIAは声明の中で「コロナウイルスの蔓延に対する世界保健機関 (WHO)の国際的な緊急事態が宣言される中、フォーミュラEはスタッフや大会参加者、そして観客の健康と安全を確保するために、必要な措置を講じてきた」と述べ、30日夜のWHO宣言が延期決断の後押しとなった事を示唆した。

FIAは更に「地域パートナーである海南省及び三亜市政府と緊密に連携し合いながら、事態の進展を監視し続けている。状況が改善された場合は、十分な時間をかけて開催代替日の検討を行う予定だ」と述べ、感染が収束に向かった場合、延期開催の可能性があることを明らかにした。

F1中国GPへの影響は?

4月19日に開催が予定されているF1中国GPだが、三亜ePrixの延期の影響は避けられない見通しだ。三亜は中国最南端の島に位置する都市であり、武漢からは1800kmも離れた場所にある一方、上海は武漢と陸続きで、距離も約800kmと三亜に比べて近い。

各国が警戒感を高め、国際社会全体で新型肺炎対策を強める必要があるとのWHO宣言を受け、オーストラリアやアメリカなど一部政府は、中国本土からの入国者を拒否する方針を示しており、今後のこの流れが強まる可能性は否定できない。入国したら最後、出国できない可能性もある中での大会の開催は非現実的と言える。

F1に参戦する10チームのうちの7チームは、先月末を以て欧州連合を離脱したイギリスに本拠を構えているが、英国外務省は先週、感染のリスクが高い中国への不必要な渡航を取り止めるようにと勧告。これを受け、イギリスの大手航空会社ブリティッシュ・エアウェイズは、中国本土への全便を欠航とすると発表している。

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