F1ベルギーGP:角田裕毅、規則違反で処分…別件ではガスリーの妨害を否定

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F1ベルギーGPのスチュワードは2025年7月25日のスプリント予選を経て、「不必要に低速で走行」したとして、角田裕毅(レッドブル・レーシング)をドライビング戒告処分とする決定を下した。

一方で、同予選中に発生したピエール・ガスリー(アルピーヌ)とのインシデントについては、角田の証言を元にガスリーを不問とする判断が下された。

最低タイム未遵守による戒告

問題視されたのは、スプリント予選中のラップだった。レースディレクターのルイ・マルケスは、安全確保と予選秩序の維持を目的に、セーフティーカーライン間の最低ラップタイムを2分3秒に設定していた。だが、角田のラップタイムはこれを下回っており、競技規則に抵触する形となった。

セッション後の聴聞において角田は、「タイムを遵守した」と説明したが、実際には規定タイムを誤認していたことが明らかになった。ヴィタントニオ・リウッツィを含む4名の競技審判団は過去の事例に則り、戒告処分を科した。

角田が今季、戒告処分を受けるのはこれで2回目となる。1シーズン中に5回の戒告処分(うち4回がドライビングに関する場合)を受けると、10グリッド降格ペナルティが科せられるため、今後はさらに慎重な走行が求められることになる。

なお、ジョージ・ラッセル(メルセデス)も同様の違反で今季初のドライビング戒告処分を受けた。

ガスリーの走行妨害疑惑は不問に

一方、同じ予選セッション中には、ガスリーがターン17で角田の走行を妨害した可能性があるとして、別件で聴聞が行われた。

これについて角田は、ガスリーの背後を走行していた際にトウ(スリップストリーム)を得ており、減速を強いられる状況はなかったと証言。また、「進路を妨害されたとは感じておらず、回避行動も必要なかった」と説明した。

スチュワードは角田の証言を受け、テレメトリーデータを調査した結果、裏付けが取れたとして、「不必要な妨害は認められない」と結論づけ、ガスリーを不問とする決定を下した。

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