多忙な貴方に送る「2017年F1中国グランプリ6つの勘所」抑えておきたい要点のまとめ
F1第二戦中国グランプリが、いよいよ明日4月7日(金)から4月9日(日) の日程で開催される。オーストラリアでは全20台の内7台がリタイヤする荒れた展開となったが、果たして中国ではどのようなレースが展開されるのか?今週話題となったニュースを折り込みながら、観戦にあたって抑えておきたい6つのポイントを紹介する。
1,フェラーリは引き続き強いのか?
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オーストラリアGPでは、最強メルセデスを打ち破ったフェラーリのセバスチャン・ベッテルが勝利。フェラーリとしては実に28戦ぶりの優勝、メルセデス無双時代の終焉を予感させる結果となった。
メルセデスが敗北した要因のひとつは、タイヤマネジメントにあった。チーム代表のトト・ウォルフは「パフォーマンスとマシン重量のバランスを改善する必要がある」と語り、タイヤを上手く使えなかった原因としてマシンの重量配分を理由に上げている。
オーストラリアGPの舞台であるアルバート・パーク・サーキットは仮設の半公道コースであり、中国GPが開催される上海インターナショナル・サーキットとは路面のキャラクターがまるで異なる。またコースレイアウトの点でも両者は大きく異なる。アルバート・パークはストップ・アンド・ゴーであり、上海は低速・高速・ロングストレートを兼ね備えたバランスの良いサーキットだ。
どちらかと言えばアルバート・パークはイレギュラーなサーキットであり、上海はノーマルなサーキットと言える。そのため、中国GPはオーストラリアGPとは異なる結果に終わる可能性が高い。中国でもフェラーリが強いようであれば、それは本物の可能性がある。
2,週末は雨予想
金曜と日曜は降雨が予想されている。決勝レースが行われる日曜日の朝は激しい雨が振る見込みだ。荒れたレースになる可能性がある。
土曜の晴れ時々雨という予報を信じるのであれば、チームはセッション初日となる金曜のフリー走行でかなりセットアップを煮詰める必要がある。また、土曜の予選では晴れ日曜の決勝が雨ということになれば、どちらの状況にマシンのセットアップを合わせるかも悩ましい所。
中国グランプリでは過去13回のレースの内、8回がポール・トゥ・ウィンとなっており、予選順位が重要であることが統計的に示されている。そのため、セットアップの問題はチームにとって頭痛の種になるだろう。
3,オーバーテイクは見られるか?
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オーストラリアGPでは昨年と比べて3分の1以下のオーバーテイクしかなかった。決勝レースで記録されたオーバーテイクはたったの14回。これは、短絡的に言えば「2017年F1はオーバーテイクが”3.6倍”難しい」ということを意味する。
ただし、アルバート・パークは伝統的にオーバーテイクの難しいサーキットであり、上海は比較的オーバーテイクが容易なコースである。そのため、中国グランプリでオーバーテイクがどの程度見られるか?という点は非常に重要になってくる。新しくF1のマネジングディレクターに就任したロス・ブラウンは、空力を軽視することなくオーバーテイクを増やすことが自身の役割だと述べており、中国GPの結果如何ではシーズン中になんらかの手が打たれる可能性もある。
4,苦戦予想のマクラーレン・ホンダ
マクラーレン・ホンダのエリック・ブーリエは、中国GPについて「我々のマシンのパッケージの弱さが露呈するだろう」「車、タイヤ、パワー・ユニットでは厳しい状況にある」と述べ、中国での週末が厳しいものになると予想している。また、ホンダF1の長谷川祐介も「上海はパワーユニットに厳しいコース」とコメント、ストフェル・バンドーンも「マクラーレン・ホンダは中国でも苦戦する」と、チーム内からは悲観的な結果を予想する声が出ている。
5,ストロールはクラッシュするのか?
ファンからの人気はイマイチなものの、我々が今季全力でフューチャーしている期待の大型新人ランス・ストロール。オーストラリアGP3回目のフリー走行でのクラッシュについて「軽く接触しただけだったんだけど」と言い放ち、神風右京をして「格が違う」と言わしめた今年18歳のカナダ人ドライバーは、中国GPに向けて事実上のクラッシュ宣言とも捉えられかねないコメントを発表している。
ましてや雨予想の今週末、一体どうなることやら目が離せない…。
6,実力を見せつけるかジョヴィナッツィ
オーストラリアGPのFP3以降に急遽パスカル・ウェーレインの代役としてザウバーからF1デビューを果たしたアントニオ・ジョヴィナッツィ。フェラーリの支援を受けるF1界久しぶりのイタリア人ドライバーが、中国GPでもザウバー C36を駆ることが正式に発表された。ザウバーF1「中国GPもジョヴィナッツィを起用」
今季のザウバーは1年落ちのフェラーリエンジンを搭載しており、ジョヴィナッツィの2戦連続参戦に対して一部には陰謀説を唱えるファンも散見するが、突然の登板にも関わらずオーストラリアGP予選ではチームメイトのマーカス・エリクソンに肉薄するタイムを出し、決勝でも12位完走を果たすなどジョヴィナッツィは実に印象的なパフォーマンスを見せていた。
中国GPと次戦バーレーンGPは連続開催となっているため、ウェーレイン復帰は早くともロシアGPになるとの見方が強い。仮に中国とバーレーンの両方でまたまたジョヴィナッツィが活躍するようなことでもあれば、ウェーレインの今後のキャリアに危険信号が灯るかもしれない。
中国GPのフジCS放送並びにDAZN配信日程については「《F1放送時間》2017年中国GP、CS放送とDAZN配信日程」をご覧頂きたい。注目のFP1は4月7日(金)11:00からセッション開始となる。