レーシングブルズ、新型ウイングの不具合で出遅れ―中団上位争いに向け課題山積か

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レーシング・ブルズは、2025年F1第5戦サウジアラビアGPの初日フリー走行で、投入したばかりの新型リアウイングに不具合が発覚し、出遅れる形となった。それでも日没後のFP2では立て直し、アイザック・ハジャーが12番手、リアム・ローソンが14番手を記録。一定の挽回を見せた。

しかしながら、現状ではQ3進出のためにはさらなる改善が必要であり、特にロングランペースが芳しくないため、決勝でのポイント獲得に向けては、大幅な巻き返しが求められる状況にあるように見える。

FP1:ウイング問題でタイムロス

FP1では、両ドライバーともにピットに長時間留まる事態となった。これは、今大会向けに投入した新型リアウイングに技術的な問題が見つかり、旧仕様に戻す必要が生じたためだ。

結果的に、ソフトタイヤでのアタックはセッション終盤にずれ込み、トラフィックの影響を受ける形となった。ローソンは辛うじてアタックラップを完遂したが、ハジャーはトラフィックに阻まれて計測ラップを断念せざるを得なかった。

FP2:夜間走行で手応えを掴むも

日没後に行われたFP2では、ソフトタイヤによるアタックを早めに実施。ハジャーが12番手、ローソンが14番手と、両者ともに中団グループ内での競争力を見せた。

ハジャーは、「今日はバランスを取るのが難しかった。まだ改善の余地がある。でも逆に言えばそれは前向きな材料でもある。ベストの状態はこれからだってことだからね。明日は間違いなく、もっと良くなるはずだ」と振り返った。

一方のローソンは、様々なことを試したと明かし、「生産的な1日になった」と評価。一方で、アルピーヌやウィリアムズに対して遅れを取っているとの見方を示し、競争力向上のためには、特にタイヤに関して理解を深める必要があると示唆した。

Q3進出の可能性は如何ほどか。ハジャーは「Q3進出を目指して戦うつもりだけど、実現できるかはまた別の話」と慎重で、現状ではアルピーヌやウィリアムズはもちろん、ザウバーにも遅れを取っているように見える。

チームはバランス問題の修正に注力

レーシング・ディレクターのアラン・パーメインは、新型リアウイングの「わずかな不具合」により走行時間を失ったことに言及し、「かなり厳しい1日だった」としたが、「FP2では状況が大幅に改善した」と前向きなコメントを残した。

一方で、両ドライバーともにラップの前半区間においてマシンバランスに不満を抱えていると明かし、2日目に向けてその部分を重点的に修正していく計画だと説明した。

初日フリー走行を見る限り、VCARB 02の最大の課題は1ラップペースというよりもロングランにあるように見える。ロングランペースは全10チーム中、最下位レベルで、2日目に向けた改善が求められる状況だ。

カルロス・サインツSr.と言葉を交わすローラン・メキーズ(レーシング・ブルズ代表)、2025年4月18日(金) F1サウジアラビアGPフリー走行(ジェッダ市街地コース)Courtesy Of Red Bull Content Pool

カルロス・サインツSr.と言葉を交わすローラン・メキーズ(レーシング・ブルズ代表)、2025年4月18日(金) F1サウジアラビアGPフリー走行(ジェッダ市街地コース)


2025年F1サウジアラビアGPの初日FP2をトップで締め括ったのはランド・ノリス(マクラーレン)。2番手には0.163秒差で僚友オスカー・ピアストリが、3番手にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が続く結果となった。

FP3は日本時間4月19日(土)22時30分から、公式予選は同26時から1時間に渡ってジェッダ市街地コースで開催される。セッションの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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