レッドブルを含む7チームが空力改良―2025年F1サウジアラビアGPアップグレード一覧

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2025年F1第5戦サウジアラビアGPに向けて、角田裕毅擁するレッドブルを含む7チームが新たなアップグレードをジェッダ市街地コースに持ち込んだ。多くは、コース特性に応じた低ドラッグ仕様のウイング類だが、車体性能の底上げを図るものも含まれている。

なおメルセデス、ウィリアムズ、アルピーヌの3チームは新パーツを投入しておらず、既存パッケージで週末を戦う。

レッドブルRB21―冷却対応とローダウンフォース化

2025年F1第5戦サウジアラビアGPでレッドブルRB21に投入されたアップグレード箇所を記した図copyright Formula1 Data

2025年F1第5戦サウジアラビアGPでレッドブルRB21に投入されたアップグレード箇所を記した図

レッドブル・レーシングは、RB21に2点の改良を投入した。1つ目は、車体後方の排気エリアを拡大したエンジンカバー。これは高い気温が予想されるジェッダで冷却性能を確保するための変更だ。

2つ目は、リアウイングの下部に位置するビームウイング。迎角とキャンバー角を抑える形で再設計されており、特定速度域におけるダウンフォースと空気抵抗(ドラッグ)を抑えることで、直線スピードの向上を図るものだ。

マクラーレンMCL39:リアの整流を強化

2025年F1第5戦サウジアラビアGPでマクラーレンMCL39に投入されたアップグレード箇所を記した図copyright Formula1 Data

2025年F1第5戦サウジアラビアGPでマクラーレンMCL39に投入されたアップグレード箇所を記した図

マクラーレンは、ディフューザーおよびリアブレーキダクト周辺の形状を変更し、空気の流れを最適化することで、特にリアセクションの安定性と空力効率の向上を図った。

初日のフリー走行では、オスカー・ピアストリが新スペックを、ランド・ノリスが従来スペックを使用。2日目以降の週末全体でどの仕様が採用されるかについては、走行データを基に最終決定される見込みだ。

フェラーリSF-24:柔軟なリアウイング戦略

2025年F1第5戦サウジアラビアGPでフェラーリSF-25に投入されたアップグレード箇所を記した図copyright Formula1 Data

2025年F1第5戦サウジアラビアGPでフェラーリSF-25に投入されたアップグレード箇所を記した図

フェラーリは、2種類の異なるリアウイング構成とビームウイングを持ち込み、サーキットのコンディションや走行状況に応じて最適なセットアップを追求できる体制を整えた。いずれも低ダウンフォース仕様で、直線スピードを重視した設計となっている。

ハースVF-25―バランス調整用のフロントウイング

2025年F1第5戦サウジアラビアGPでハースVF-25に投入されたアップグレード箇所を記した図copyright Formula1 Data

2025年F1第5戦サウジアラビアGPでハースVF-25に投入されたアップグレード箇所を記した図

ハースは、2024年型VF-24で使用していた2種類の低ドラッグ版リアウイングに対応する新しいフロントウイングを投入した。これは車体前方の空気抵抗を抑えつつ、先述のリアウイングを装着した際に前後の空力バランスを保つ工夫がなされている。

レーシング・ブルズVCARB 02―前後ローダウンフォース化

2025年F1第5戦サウジアラビアGPでレーシング・ブルズVCARB 02に投入されたアップグレード箇所を記した図copyright Formula1 Data

2025年F1第5戦サウジアラビアGPでレーシング・ブルズVCARB 02に投入されたアップグレード箇所を記した図

レーシング・ブルズは、空気抵抗を抑えるよう再設計された前後ウイングとビームウイングを持ち込んだ。いずれも直線での伸びが求められるジェッダ市街地コース向けのパーツだ。

アストンマーチンAMR25―低ドラッグ仕様のフラップ

2025年F1第5戦サウジアラビアGPでアストンマーチンAMR25に投入されたアップグレード箇所を記した図copyright Formula1 Data

2025年F1第5戦サウジアラビアGPでアストンマーチンAMR25に投入されたアップグレード箇所を記した図

アストンマーチンは、既存のリアウイングに装着可能な低ドラッグ仕様のフラップを持ち込んだ。

ザウバーC45―計5箇所を変更、新型フロアで性能底上げへ

2025年F1第5戦サウジアラビアGPでザウバーC45に投入されたアップグレード箇所を記した図copyright Formula1 Data

2025年F1第5戦サウジアラビアGPでザウバーC45に投入されたアップグレード箇所を記した図

ザウバーは、前後ウイングおよびビームウイングに加え、新型フロアを投入し、車体全体の低ドラッグ化とともに、パフォーマンスの底上げを図った。

新型フロアは、中央部の形状が見直されており、空力効率の向上により車両全体の安定性とグリップ性能の改善が期待されている。

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