衝突…F1、アンドレッティ”参戦阻止”に向け「全力尽くす」マイアミ会談の内幕明かすマリオ
マリオ・アンドレッティによると、F1の商業権保有者である米リバティ・メディアのグレッグ・マフェイCEOは、息子のマイケルが主導するアンドレッティ・キャデラックの新規F1参戦を阻止するために「全力を尽くす」と警告したという。
報道によると1978年のF1ワールドチャンピオンとマフェイは、F1第6戦マイアミGPの週末の土曜日に行われた招待制の朝食会の場で、アンドレッティ・キャデラックのF1新規参戦を巡り衝突した。
マイアミでの週末に先立ち、共和党のジョン・ジェームス議員ら12名の米国議会議員がリバティ・メディアに書簡を送り、アンドレッティの新規F1参戦を拒否した理由や根拠について回答を要求すると共に、反トラスト法に違反している可能性があるとの懸念を表明した。これに関連してマリオはワシントンを訪問した。
It was an honor to host @MarioAndretti this week as we fight for American autos, American auto workers, and American companies' right to compete in @F1. pic.twitter.com/3lq3wg4DCz
— Rep. John James (@RepJames) May 4, 2024
朝食会でF1のステファノ・ドメニカリCEOがアンドレッティにワシントンへの訪問について尋ねたところ、マフェイが会話に割り込んできたという。
NBCとのインタビューの中でアンドレッティは「そこに来るよう頼まれた事をステファノに説明しようとしていた時、グレッグ・マフェイ、Mr.マフェイが会話に割り込んできて、『マリオ、私はマイケルがF1に参戦するのを絶対に阻止する。全力を尽くすつもりだ、と伝えておきたい』と言ったんだ」と説明した。
アンドレッティによれば、マフェイはその後、その場を立ち去ったという。「本当に驚いた。これはビジネスの話だというのに、これほど個人的なものだとは思わなかった。あれは本当に信じられないものだった。心臓を撃ち抜かれたような気分だった」とアンドレッティは付け加えた。以降は一切、連絡を取っていないという。
アンドレッティはGM傘下のキャデラックとの提携を経て昨年10月、FIAから承認を得たものの、フォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)は今年1月、チームの競争力を疑問視し、またF1に付加価値をもたらすとは思えない等として、これを却下した。
計画が宙に浮いたにも関わらずアンドレッティは、F1プロジェクトに関わる従業員の雇用を更に進め、今年4月にはイギリスのシルバーストンに新たなファクトリー完成させ、モナコGPに先立っては、2026年に導入される新たな技術規定の策定において主導的な役割を果たしたF1の元最高技術責任者(CTO)、パット・シモンズの起用を発表した。
アンドレッティの参戦却下を巡る状況は最近、エスカレートしている。
下院司法委員会は5月21日を回答期限として調査を開始し、影響力のある上院議員のグループは司法省と連邦取引委員会に対して、F1に対する独占禁止法調査の開始を求めている。