FIA、2023年F1ペナルティポイント制度を改定…”ガスリー問題”経て適用方法緩和
英「Autosport」によると国際自動車連盟(FIA)は2023年に向けてF1のペナルティポイント制度を改定した。トラックリミットなど、危険なドライビングとは無関係の競技的なルール違反はポイント適応の対象外となったようだ。
ペナルティポイントの適用方法が緩和されたのは、昨シーズンにピエール・ガスリーが出場停止の崖っぷち状態に追い込まれた事が契機となった。
当時、角田裕毅のチームメイトとしてアルファタウリに在籍していたガスリーは、昨年5月以降、立て続けにペナルティポイントを受けた。その結果、今年5月22日までに後2点が加算されると史上初となるF1出場停止処分が下される状況となった。
ガスリーは「僕としてはこの12ヵ月の間に特に危険なことをしたとは思っていない。だから(出場停止ともなれば)間違いなく厳しいペナルティだと思ってる」と述べ、オフシーズン中にFIAとの間で更なる話し合いの場を持つ意向を明らかにしていた。
GP | 加点 | 理由 | 有効期限 |
---|---|---|---|
スペイン | 2 | ストロールと接触 | 2023年5月22日 |
オーストリア | 2 | ベッテルと接触 | 2023年7月10日 |
オーストリア | 1 | 繰り返しのコース外走行 | 2023年7月10日 |
日本 | 2 | 赤旗下で速度違反 | 2023年10月9日 |
米国 | 2 | 10車身ルール違反 | 2023年10月23日 |
メキシコ | 1 | ストロールを押し出す | 2023年10月30日 |
危険なドライビングに関しては今後も引き続きポイントが与えられるものの、コースをはみ出したり、セーフティーカー導入時に前走車とのマージンを10車身以上空けたり、といった規定違反ながらも危険ではない行為に関してはポイントの対象外となったようだ。
実際、今年の開幕バーレーンGPでは、エステバン・オコンとニコ・ヒュルケンベルグがタイムペナルティを受けているが、両者ともそれ以上の制裁を受けることはなかった。
ペナルティポイントの本来の趣旨に則れば、ガイドラインの変更は理に適ったものと言える。だが、これはガスリーの累積ポイントの消滅を意味するわけではない。
ポイントの有効期限は12ヶ月間であり、第6戦エミリア・ロマーニャGPまでの残り5戦で2点が加算されればガスリーは問答無用で1レースの出場停止となる。