史上初となるF1出場停止処分まであと2点という危機的な立場にいる事についてピエール・ガスリー（アルファタウリ）は、「かなり微妙な状況」で「恥ずかしい」と認めた。

ガスリーは今年5月以降、立て続けにペナルティポイントを受けた。ポイントの有効期限は12ヶ月間で、ガスリーが持つ累積ポイントの減算はアルピーヌ移籍後の来年5月まで訪れない。

つまり今週末のサンパウロGPを含めた今季2戦、来季5戦の間にあと2点を加えると問答無用の出場停止となるまさに崖っぷちの状態に置かれている。

インテルラゴスでの週末に先立ちガスリーは会見の中で「正直に言うと本当に嫌で、かなり微妙な状況だ」と認めた上で、自身は出場停止処分を受けるに値するようなドライビングはしていないと主張した。

「今シーズンを経てレース出場停止の可能性がある立場にあることはある意味、少し恥ずかしいことでもある」

「僕としてはこの12ヵ月の間に特に危険なことをしたとは思っていない。だから（出場停止ともなれば）間違いなく厳しいペナルティだと思ってる」

「全てのレースに出たい思っているから、解決策を見出そうと個人的にFIAと何度も話し合ってきた。最高の形でアルファタウリとのシーズンを終えたいんだ」

フェルナンド・アロンソの後任として2023年にアルピーヌに移籍する事が決まっているガスリーにとって、出場停止処分はタイトル争いを損ねる大きなリスクにもなり得る。

「パフォーマンスを発揮すべく、2023年の全戦に出場してアルピーヌのためにチャンスを最大限に活かしたいと思っているだけに、これは明らかに深刻な問題だ」とガスリーは語る。

「23年に何が起こるかは誰にも分からない。もし素晴らしいクルマが得られるならチャンピオンを争うことになるかもしれない」

「その場合、1レースの出場停止によってチャンピオンシップに関する望みをすべて失ってしまうようなリスクは冒せない。だから本当に厄介な状況なんだ」

F1にペナルティポイント・システムが導入されたのは2014年だが、これまでレース出場停止処分を受けた者は誰もいない。”史上初”の不名誉を回避するためにガスリーは統括団体との話し合いを続けている。

「今のレギュレーションの文言はドライバーに対してかなり厳しい。必ずしも危険なドライビングでないとしても、本当に厳しいペナルティーが科される事になる。だからFIAと何度も議論を重ねてきたんだ」

「両チャンピオンシップに与えるペナルティの影響が甚大なのは間違いない。だから今日もこの後に話し合いたいと思ってる」

「今週末までに解決策を見つけ、レース出場停止という馬鹿げた状況に陥らないようにしたい。そうなったら僕自身にとって最悪だ。それにこのスポーツのあり方には絶対にそぐわないし、正しいアプローチだとも思っていない」

「（出場停止処分まで）たった2ポイントというリスクある状況のままで来年を迎えるわけにはいかない。でも今のところ解決策はない。だから願わくば、2023年に向けて良い計画があることを願ってる」

最終アブダビGP後にヤス・マリーナ・サーキットで行われるポストシーズン・テストへのアルピーヌからの参加の可能性については「今、それについて話し合っている最中なんだ。可能ならそうなるだろうね」と説明した。

F1サンパウロGP特集