F1、2022年通期業績発表:記録的な観客動員数を背景に増収増益
F1の商業権を持つリバティ・メディアが米国現地3月1日(水)、2023年の通期決算発表を行った。コロナ渦による入場制限が解消された事を背景に記録的な観客動員数を記録。増収増益となった。
22戦で行われた2022年シーズンの観客動員数は、新型コロナウイルス以前の2019年と比較して36%増の570万人に達し、累積テレビ視聴者数は15億4,000万人を記録。特に米国では36%増と、人気の高さが明らかとなった。
2022年通期のF1グループの収益は前年比20%増の25億7,300万ドル(約3,502億1,100万)で、選手権順位に基づいてチームに支払われる分配金や販売費・一般管理費などを差し引いた営業利益は160%増の2億3,900万ドル(約325億3,480万)と大幅増益となった。
参戦した全10チームへの支払い総額は11億5700万ドル(約1,574億1,500万円)で、前年より8%増加した。
項目 | 2021 | 2022 | 増減率 | |
収益 | 営業収益 | 1,850 | 2,107 | 14% |
営業外収益 | 286 | 466 | 63% | |
計 | 2,136 | 2,573 | 20% | |
営業経費 | チームへの支払い | 1,068 | 1,157 | 8% |
営業外費用 | 421 | 593 | 41% | |
販売費・一般管理費 | 152 | 230 | 51% | |
株式報酬 | 17 | 3 | -82% | |
減価償却費 | 386 | 351 | -9% | |
計 | 2,044 | 2,334 | 14% | |
営業利益 | 92 | 239 | 160% |
レース開催権料、放映権料、スポンサー料からなる営業収益は14%増の21億700万ドルへと増加。このうち最も多いのはテレビ局や配信事業者からもたらされる放映権料で36.4%となっており、これにレース開催権料が28.6%、スポンサー料が16.9%で続く。
2021年はコロナ渦の影響を受け、一時的にレース契約に入場制限が組み込まれたが、2022年はこれが解除され、さらにヨーロッパ以外でのレースが3レース開催された事でレース開催権料が増加した。
販売費・一般管理費が1.5倍に膨れ上がったのは、2023年に初開催を迎えるラスベガスGPの企画・立ち上げに関連する費用が発生したためだという。
リバティ・メディアのグレッグ・マフェイCEOは「ファンの熱狂的な支持の高まりと商業パートナーの成功により、F1は記録的なエンゲージメント、収益、調整後OIBDAを達成し、2022年を素晴らしい結果で締め括った」と語った。
またF1のステファノ・ドメニカリCEOは「F1は2022年に記録的な観客動員数を記録し、また、ソーシャルメディア上で最も急速に成長しているメジャースポーツの座を取り戻した」と語った。