F1、「公平適用」の観点からポーパシング/フロア制限ルールの導入をベルギーGPに延期
F1第11戦オーストリアGPを前に行われた今季3回目のF1コミッションを経て、国際自動車連盟(FIA)はポーパシング制限ルールの導入をサマーブレイク明けのベルギーGPに延期する事を決定した。
2022年シーズンに導入された次世代F1マシンは従来型以上にグランドエフェクトを重視した設計となっており、ポーパシングと呼ばれる空力的な上下振動に加え、足回りを硬めにすることで発生する激しいバウンシングに見舞われている。
振動によるドライバーの健康侵害を防ぐべくFIAは、技術指令(TD)の発行を通して各チームのマシンのポーパシングに介入する意向を明らかにした。当初はカナダでの予備調査を元にフランスGPより新しいルールが適用される予定であったが、これが1ヶ月延期される事になった。
技術指令によって各チームはプランク及びスキッドの変更、及び振動測定のための新たな指標に対応する必要がある。そこでF1コミッションでは、チームからのフィードバックと協議を経て、ルールの「公平な適用」のために猶予期間を延長する事が合意された。
この件に関してFIAは、まずはカナダGPで技術指令を発行し、ポーパシングをコントロールするための指標定義計画の概要についてチーム側に説明を行った。だがその2週間後のイギリスGPを前に、改訂された新たな技術指令が出された。
これには当初の技術指令にはなかったフロア剛性に関するルール強化が盛り込まれていた。カナダでの予備調査の過程で、一部チームのフロアがレギュレーションの意図を超える水準でたわんでいる疑惑が浮上したためだ。
ジョージ・ラッセルはオーストリアGP予選を終えてレッドブルとフェラーリを名指しし、フロア剛性ルールの厳格化はメルセデスにとって有利に働くとの考えを示した。
また本F1コミッションでは2026年以降のF1パワーユニット規定に関する議論も行われ、最終合意が間近に迫っている事が確認されると共に、2023年のプレシーズンテストをヨーロッパ域外で行うためのレギュレーション変更が賛成多数で可決された。