ジョージ・ラッセル「ペース的には今季最高、結果的には今季最悪」Q3事故後のコース進入で警告処分
F1オーストリアGPのスチュワードは7月8日(金)の公式予選を経て、マーシャルの許可なくコースを横断したとして、ジョージ・ラッセル(メルセデス)を警告処分とする裁定を下した。
僚友ルイス・ハミルトンのクラッシュに伴う赤旗中断の後、ラッセルはターン9の出口縁石に乗り上げ、ターン10への進入でクルマのリヤエンドを失い、そのままバリアに衝突した。
クルマを降りたラッセルは歩いてピットに戻るべく、グラベルから本コースへと足を踏み入れ、その後、ピットレーンの速度無制限区間に進入した。
スチュワードは当事者からの聴取並びに映像証拠を確認した後、ラッセルがコースを横断し始めた際、「コース上にはまだ何台かのクルマが走行し続けており、彼らはピットレーンに入れなくなる可能性があった」と指摘した。
そして「安全ではない状況」を引き起こしたとして、ラッセルを警告処分とした。戒告処分や罰金といった具体的な制裁を逃れた格好だ。
許可なくコースに立ち入ったとして、オーストラリアGPではセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)が規定違反を犯し、5,000ユーロの罰金を科せられている。
ラッセルは「純粋なペースという点ではシーズン最高の予選だったと思う反面、結果的には最悪の予選だった。時にはこういう事もあるものさ」と振り返った。
「身体的には問題ないんだけど、クルマの方が心配だ。上手く修復できる事を願ってる」
「予選に向けてセットアップで少し間違った方向に進んでしまったのかもしれない。通常、僕らはシングルラップよりもレースペースの方が良いから、明日、今日の分の埋め合わせができればと思ってる」
また「パフォーマンスに関しては幾つか前向きな兆しがある。(前戦で)アップグレードを持ち込んでいるし、幾つかのルールの解釈もおそらく、僕らにとって有利に働いている」とも語った。
これはフレキシブルフロア疑惑に対する剛性ルールの厳格化に触れたもので、ラッセルはフェラーリとレッドブルを名指しした。両チームはプランクとたわみ検査の抜け穴を利用し、より多くのダウンフォースを稼いでいるものとみられている。
同ルールの導入は夏休み明けのベルギーGPに延期されたが、該当するチームはそれまでの3戦の間に対応しなければならない。
2022 F1オーストリアGP予選では、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がシャルル・ルクレール(フェラーリ)を1000分の29秒差で退けポールポジションを獲得した。
2回目のフリー走行は日本時間7月9日(土)19時30分から、スプリントレースは同23時30分からレッドブル・リンクで開催される。