セッションに向けて準備するセルジオ・ペレス(レッドブル)、2022年7月8日F1オーストリアGP
Courtesy Of Red Bull Content Pool

セルジオ・ペレス「苛立たしい」Q3全タイム抹消の異例措置で予選13番手に降格

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F1オーストリアGPのスチュワードは7月8日(金)の公式予選を終え、セルジオ・ペレスがQ2で記録したベストラップ及び、Q3で記録した全ラップタイムを抹消する異例の措置を取った。これによりペレスは予選Q3で4番手を刻んでいたものの、13番手に降格となった。

ペレスが予選Q3進出を決めたラップはターン8でのトラックリミット違反が疑われるものであったが、スチュワードがこれに気付いたのはQ3開始直前の事だった。そこで予選終了後に審議が行われる事となった。

審問でレッドブルは、トラックリミットの事実を認めつつも、ターン8でコース外にはみ出る事は「明確なアドバンテージ」には繋がらないと指摘。これを裏付けるデータを提出した。

しかしながらスチュワードは、本件が問題視されたのは「アドバンテージを得た」からではなく「正当な理由なくコースを離れた」ためだとして退けた。

即座にトラックリミットとなっていればペレスはQ3を走る必要がなかった。クラッシュ等のリスクを負って不必要に周回を重ね、エンジンを含めたマシンの寿命を消費した。

スチュワードは、この点に関するチームからの指摘を受け入れつつも「セッション後のペナルティを評価するという点で、本件は他の如何なるケースと変わりない」と主張した。

トラックリミットに対する措置は通常、当該ラップタイムの抹消のみだが、スチュワードは「公平性を保つため」に、Q3の全ラップタイムをも抹消するという判断を下した。ペレスがQ3に進んだ事でピエール・ガスリー(アルファタウリ)はQ2敗退を喫した。

ペレスは「今回はトラックリミットの取り締まりがかなり厳しく、4番手を逃す事になり残念だ」とする一方、Q2の時点でタイム抹消が通知されなかった事に対して「苛立たしい」とフラストレーションをぶつけた。

「FP1の後にすぐ予選があった事で、あまり良い感触も得られずトリッキーな日だった。明日は何とか挽回していきたい」

「まずは明日のスプリントで足場を固めていく。日曜の決勝に向けて前進し、良いポジションを目指していくためには、集中力を切らさず懸命にプッシュしていかなきゃならない」


2022 F1オーストリアGP予選では、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がシャルル・ルクレール(フェラーリ)を1000分の29秒差で退けポールポジションを獲得した。

2回目のフリー走行は日本時間7月9日(土)19時30分から、スプリントレースは同23時30分からレッドブル・リンクで開催される。

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